ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

『夏時間の庭/L'HEURE D'ETE』★★★☆ 

オルセー美術館の開館20周年記念作品というので公開時に観たかったんだけど時間が合わず観られなかった映画。もっとオルセーの内部が映るのかと思ったらそうではなかったです。でも本物の美術品が映画の中にいくつも出てきました。
 美しい映像でした〜。庭を駈け木に登り宝物探しする子どもたち・・画家だった亡き大叔父から、アトリエを兼ねた邸宅や美術品を受け継いで暮らしていた母の75歳の誕生日シーンから始まります。その母が死に3人の兄弟は母が遺したアトリエのある美しい家と価値ある美術品コレクションの相続をどうするのか・・。
監督:オリヴィエ・アサイヤス『パ夏の陽光にあふれ、草木の柔らかな緑が目に爽やかな広大な庭。その奥に佇む瀟洒な一軒家は、かつては画家だった大叔父のアトリエであり、今は大叔父が遺した貴重な美術品コレクションを守る母の、ある想いがこもった家だった。主だった母亡き後、3人の子供たちには芸術的価値はもちろん、家族の懐かしい思い出に彩られた家と美術品が遺されるが、それぞれの事情から、それらを手放さなくてはならなくて…。3兄妹が抱える甘くはない現実と身を切られるようなジレンマ。子供たちの将来を見越し、それぞれの負担にならないように、生前に自分の死後の準備を進めていた母の気持ちが胸に迫る本作。しかし、時代や世代交代の中で否応なく変っていく典型的な現代家族の姿を捉えつつ、その一方で、永遠に変らない大切なものが確かにあることを描いています。それは、家や美術品のように目に見え形あるものではなく、同じ時間(とき)を過ごした思い出と、たとえ離れていても断ち切れることのない絆。それらが母から子へ、子から孫へと継承されていくラストシーンは、観る者の心に、単なるノスタルジーを超えた未来への前向きな希望と感動を残すことでしょう。』http://natsujikan.net/index.html
美しい映像だと思っていたら、なんと撮影は私の大好きな『イントゥ・ザ・ワイルド』『モーターサイクル・ダイアリーズ』のエリック・ゴーティエでした。
カミーユ・コローやルドンの絵、ブラックモンの花瓶、エドガー・ドガの彫刻、アール・ヌーヴォー家具デザイナーのルイ・マジョレルの机、ヨーゼフ・ホフマンの戸棚が、生活の中でさりげなく使われています。その品々が美術館に展示された時点で時間を止めてしまい、ただの美術品になってしまいました。空の花瓶は虚しいから・・・家政婦のエロイーズに形見で貰われたブラックモンの花瓶は幸せです。本物って何だろう・・。美術品の多くもかつては生活のなかにあったものだったことを改めて思い出します。
以前オルセーやルーブルが目的でパリに行きました。数日通ったのですが、私は美術品より昔駅だった、その建物自体に魅力を感じて興奮しました。他の美術館も同じ。歴史とともに生きている建物とどっしり生きている街並みに魅かれブラブラ歩き回ったものです。飾られているだけのテーブルより大切にずっと使い続けられているテーブルのほうが何百倍もステキ。