ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

アルゼンチンタンゴショー『ロコへのバラード』★★★★★ 

まだ『太陽』モードなのですが・・さっさと書いておこうと(笑) そう思うと思い出してワクワクが戻ってきます。そうなんですよーー26日に観た『ロコへのバラード』もハイレベルな作品でした。
構成・演出・訳詞:小林香、音楽監督小松亮太、キャスト:彩吹真央中河内雅貴/宮菜穂子/CHIZUKO/HUGO/JORG/西島千博(特別出演)/石井一孝、演奏:キンテート・オセイロ、振付:マリオ・モレーラス、西島千博
『物語はブエノスアイレスにあるオラシオ書店。ここでは半年前から毎週金曜日の晩に、本屋の店員マリア(彩吹真央)が大人のための朗読会を開いている。書店主で読書狂のオラシオ(石井一孝)がマリアに朗読会をやることを勧めたのは、マリアも本が大好きでイマヒナシオン〔想像〕とファンタシア〔幻想〕の世界に住める同志であり、彼女の朗読する声がとてもいいということを知っていたから。朗読会に集まって来るのは冴えない連中ばかり。言えない秘密を抱えているロミーナ(チヅコ)と、これまた秘密主義なハビエル(ウーゴ)の夫妻。なぜかデートの場所がオラシオ書店で、いまだに結婚出来ないでいるカップルのアメリータ(宮菜穂子)とミゲル(中河内雅貴)。椅子を納品しにやってくる無口なラロ(西島千博)。そして、オラシオとマリア。 マリアは何十年もの間たった一人で姉を看病してきたが、先日姉を亡くして独りになった。彼女は、先祖が移民としてブエノスアイレスにやって来てから代々住んできた一家の家を引き払い、小さなアパートに引っ越そうとしている。そんな時のある夜、意外な朗読のリクエストが出される・・・。』http://www.duncan.co.jp/web/stage/loco/index.html
舞台に中央に天井まである本の樹は『家系樹』というものでした。ホントに舞台美術がステキでした。その樹に映し出される言葉や鳥たち・・。文章にできないのが残念でなりません(美術:島川とおる、照明:中川隆一)。ブエノスアイレスに実在する本屋さん「エル・アテネオ」がモデルとのこと、そこは元劇場で“世界で2番目に美しい本屋”と言われているそうです。1番はどこだろう・・。『家系樹』はマリアとリンクしていました。家族が皆亡くなり長く続いた家系が自分で途絶えてしまうと思っているマリア・・
El Ateneo書店 http://www.afpbb.com/article/life-culture/culture-arts/2296657/2233314
 http://en.wikipedia.org/wiki/El_Ateneo
マリアが朗読する本は、朗読会に参加している人たち(*)のために選んだもの。マリアが本を開き、物語を語りだすとその本の世界に音楽が重なり、ダンスが立ち上がる。そのダンスは、彼ら(*)の物語でもありました。
  『イマシナシオン(想像)とファンタジア(幻想)が現実と交差しはじめ』たのです。
そのマリアを演じたのは彩吹真央さん。ダンスも声も歌声もステキでしたーー官能的です!宝塚で男役だった方です。見た目はこんなにふんわりとした優しい感じの女性が男役だったとは!という感じですが。でもタンゴは情熱的でとてもセクシーです。タンゴや背景となる場所を知るために、この夏、ブエノスアイレスまで旅をしたそうです。そういえば・・私は退団直後の『COCO』のノエル役を観ていました。
マリアが働く書店の店主オラシオは、『オペラ・ド・マランドロ』でタイガー役だった石井一孝さんです。ストーリーテラーでもあるのですが・・応援したくなる可愛いキャラです。いいひと過ぎるのね・・私はマリアとオラシオがハッピーエンドになるものとばかり思っていました。まさか目立たないラロ(西島千博)とマリアがうまくいくなんて・・そっと身を引いちゃうなんて・・いいひとすぎます。ラロを演じた西島くんは、まさかの特別出演。名前が最初のほうにあるのでゲストだとは思いませんでした。どうりで・・タンゴじゃなくひとりバレエを踊っていました(ちょっと違和感)それなのに“いいとこどり”ですよーーーーでもステキでした。流石です。でも・・ほとんどの観客がオラシオがんばれって思っていたと思うわ。
書店のカフェで働いているミゲルを演じたmasaくんは・・すごく久しぶり。私は『タンブリング』以来かな・・あんまり観たい演目がなかったので遠ざかっていました(テニミュのようなのは苦手なので。笑)が・・すごく上手くなっていてびっくりしました。ちゃんとミュージカルの歌い方、発声です。料理とスヌーピーが好きという可愛い役がピッタリでした(本人は男気溢れるらしいのですが、いつも可愛い役が似合っちゃうよね)。『スヌーピーの大好きって手をつないで歩くこと』を台詞に引用。
その恋人アメリータの宮菜穂子ちゃんは、成河くんがパックを演じたジョン・ケアード演出の『真夏の夜の夢』のハーミア!!それと『MATERIAL』で鏡花世界へ道先案内人でもある「卯(宮菜穂子ちゃん)」と「酉(りょんりょんちゃん)」を演じた女の子でした。(あっ両方とも森川次朗くんが出ていましたね!)
 
ストーリーがしっかりしていたのでおもしろく、そこにバンドネオンとキンテート・オセイロのタンゴの生演奏!!そして本物のタンゴですからドキドキものでした!!ライブ感たっぷり、めくるめく官能の世界ですーーー。ロミーナとハビエル夫妻を演じたCHIZUKOさんとHUGOは、2010年タンゴ世界選手権大会優勝したという実力者。ため息でちゃうくらいセクシーでステキでした。
2幕でオラシオとマリアが歌うタイトルでもある「ロコへのバラード」という曲。すごく楽しかった!!そのタンゴも!ロコは頭のおかしい男、ロカは頭のおかしい女の意味。歌詞にロカが出てくるのは最後のほう、好きと叫ぼうよ、おとなしいマリアが生まれ変わる!といった感じなんですね。
生まれ変わって、椅子職人のラロとの恋に前向きになっちゃっうんですよねぇ・・ (このストーリーがオラシオ目線じゃなかったら、ラロはかなりかっこいい存在だと思うけれど)
 
なによりも!!構成・演出・訳詞の小林香さんがすばらしいです。曲を先に選ばなければならないため朗読する本を選んだそうです。選ばれた本は「存在の耐えられない軽さ」と「コレラの時代の愛」です。2つとも映画で観ました。存在の〜は大好きなダニエル・デイ・ ルイスでしたから!!(2つとも本は読んでいません)
『場末なのに上質で、大衆的だけどアートで、情熱的だけど切なく哀愁漂う、そんなタンゴ・オペリータが2011年秋の東京グローブ座に現れたら・・・。』と小林香さん。すばらしいタンゴ・オペリータでした!!
写真がありました。 http://www.theaterguide.co.jp/theater_news/2011/11/22_04.php
 http://okepi.jp/kangeki/2011/11/20111117.html