ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

世田谷パブリックシアター『4 four』1回目★★★★★ 

  
『〝モノローグの可能性を探る〟というテーマのもとで執筆を開始し、昨年11月にはシアタートラムでリーディング公演として上演した』作品。このときの登場人物は「F」「O」「U」「R」の4人だったそうです。今回そこに「男」が加わり、5人芝居(高橋一生田山涼成須賀貴匡野間口徹池田鉄洋)になっていました。
集中力と緊張感が途切れることなく疲れたけれど、おもしろかったので開演前に迷ったパンフレットの他に戯曲まで買っちゃいました。川村毅さんの戯曲を買ったのは2冊目。2010年に『現代能楽集V〜「春独丸」「俊寛さん」「愛の鼓動」』を観たときも作品がおもしろくて帰りに購入。(http://d.hatena.ne.jp/Magnoliarida/20101119/1290178752)『愛の鼓動』は看守と死刑囚の日々(死刑制度について)が書かれている作品だったので今回少し思い出していました。倉持裕さんの睡蓮が浮かび上がる演出がとても美しかったんですよーー。
今日はポストトークがあり、演出の白井晃さんから設定のお話を聞くことができて良かったです。
ほんと、とんでもない(←いい意味で。笑)お芝居を観た気がします。まず、座席というか劇場の使い方がとんでもないんだもの。美術は松井るみさん。
 
野間口さんが私が座った席の真正面奥にいらっしゃることが多く、緊張感でガチガチになっているときにふと見ると野間口さんがニコニコしているので、とても安心感を覚えて同じように笑ったんですが、それでよかったんですね (^^)。野間口さんは一稿では5行くらいしかセリフがなかったらしいです。4頁くらい増えていました。
 
  以下ネタバレあるかもなので何も知りたくない方はスルーしてくださいね。
 
男(野間口徹)が箱を持ってくる。4人の男が箱に手を入れ紙切れを取り出し、見せる。男が去り、それがはじまる。
F(池田鉄洋)のモノローグ。いったい何がはじまるんだろう、Fは誰で何の話をしているんだろう、とドキドキ。「彼」の話をしている。「彼」ってだれ?裁判所での話をしている。どうやら引いた紙には「裁判員」と書いてあったらしい。季節は秋。
続いてO(田山涼成)のモノローグ。政治家らしい。国家の役割、死刑執行の署名のことで悩んでいる。とてもネガティブ。紙には「法務大臣」と書いてあったらしい。桜の話をしているから季節は春。
続いてU(須賀貴匡)のモノローグ。話し相手の「木」に昨日は自分が担当した執行日だったことを話している。すごく辛そう。どうやら引いた紙には「刑務官」と書いてあったらしい。季節は初夏。
最後はR(高橋一生)のモノローグ。いちばん落ち着かない様子で動き回る。自分のしたことが夢か現実かもうわからなくなっているようだ。だから反省の意味もわからなくなっている。人の命を断つという行為を犯したひとだとわかる。引いた紙には「未決囚」と書いてあったらしい。季節は?独房にいるからか、ない。
実はこのへんまで紙のことが頭から飛んでいました。「どうしましょうか」「交換してみるとか」ん? 私が紙のことを思い出したのは4人のダイヤローグになったからです。
でも、そうだったらこの4人は だれ? と頭の中はぐるぐるしています。その会話からRが無差別殺人を起こしたことがわかりました。 それでも「この4人は だれ?」と思っていたのです。
男(野間口徹)がもう一度箱を持ってくる。そこからやり直し。 着ている上着もチェンジ。もう頭のなかぐるぐるです。
 
このようなモノローグとダイヤローグが客席と分かれたひとつの舞台で行われるわけではなく、椅子ではなく色々な高さのに積まれた木箱に座布団を敷いて座る客席も舞台となった舞台で(うまく書けない 笑。いつものトラムの階段状の座席は全て取り払われフラットになっていました。座席表があったのですが写真NGだったので・・)彼らはランダムに動くのですから。演じるほうも大変なようです。目印がないのですから、自分たちを取り囲む観客は日替わりなのですから。ポストトークで、頼りになるのは、ふと目に入る他の4人だと言っていました。

何パターンかのモノローグがあるようです。もうやめたくて逃げ出したくなるけれど、終らせるためにそれをやり遂げないといけないと思っている4人。
処刑台が現れる。ロープが下りて来る。そのクライマックスとなる場面が壮絶。やり遂げるってそれも?とドキドキハラハラする。ちょっとなにするの?Rの踏み台外しちゃだめだからーーーーと動悸がしてくる。あの音がしたとき飛び上がってしまいました。
4人がどうやら被害者遺族です。終らせたいために何度も紙をひいていたのでしょうか。
 
ラストは「男」のモノローグ。死刑囚の父(彼も遺族ということになる)だとわかりました。12年間の闘いが終ったと言っていました。
あれ?もしかしたら「男」も被害者遺族?「死刑囚の父」という紙もあったのかもしれない。
 この時点でまだパンフレットを読んでいないので、読んだら↑と違うこと言うかもですが・・もう一回観に行きたいと思いました。行く日ないかなぁーーーー。
 
野間口さんのことだけ書いたので他の4人のこと(笑)
今回の高橋一生くんの髪型はとーーーーーってもステキで似合っています。いつも整ったイメージがあったのですが、今回のRは役柄のせいもあるのか、ふわふわっくしゃっとしていて、私はとても好き。
須賀貴匡くんは・・・こんなにいい俳優さんだったの!!!!って本気でびっくりしました。容姿もステキ(覚くんと少し似ています。だから声も。)声も通るし、すごくよかった。
この二人が何度も私の左スペースに立ち、独白しちゃうのですからもう・・ねぇ:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
池田鉄洋さんですが、ぽっちゃりのお腹を気にしていたところ「背中がすごいんです」と野間口さんに言われ、座席になった木箱を使った踏み台昇降で3キロ痩せたらしいです。ぽっちゃりなのにピタピタのTシャツがお稽古着だったんだって。東京福袋のときのセーラー服姿とは違い素敵でした。
田山涼成さんは・・最初に観たのは竜っちゃんが伊右衛門を演じた『大正四谷怪談(1999)』の直助でした。それから全然お変わりない!
 『COVER』のフライヤーもらいました。2/2〜17