ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

阿佐ヶ谷スパイダース『あかいくらやみ 〜天狗党幻譚〜』2回目★★★★★ 

そんな矢島慎也のJ初ゴールを生で見られず一瞬凹んだMagnoliaridaですが、私は私で興奮しながら観劇していました。

『あかいくらやみ』凄く面白かったです!
前回は、入り組んだ歴史のスピードに自分がついていけなくてモヤモヤしていましたが、これでスッキリ。仕掛けがたくさんあり時空の飛び方が今までにないくらい歪み入り組んでいるんだもの。台詞の言い回しとか聞き逃したらもう大変よ。一回でわからなかった自分がもう情けない・・こんなに面白い作品だったなんてぇーー。
 
『混乱の世を生き抜こうとしている青年が、ある宿屋で悪夢に呑みこまれ、さいみ党の血で血を洗う復讐劇を追体験していく。近年の特徴のひとつと言える時空を自在に飛び越えて物語を進める手法は、観客の想像力を大いに喚起することだろう』

そうなの。その宿屋(白石加代子さんが女将。彼女が誰なのか、だんだんわかってくる)の客である青年・大一郎(小栗旬)と妻・奈生子(原田夏希)、天狗党のことを小説するために取材に来た葛河梨池先生(古舘寛治)と編集の野口くん(長塚圭史)。復習が終わらず時代が入り交じる悪夢に4人と女将がそれぞれの巻き込まれ方をするのも面白い。その悪夢の中の奈生子は、天狗党の人質お登世/おうめ/篠島の妻でもあり、葛河先生は諸生党の市川三左衛門、女将は、天狗党の人質おゆんでもあり・・悪夢に翻弄されていた大一郎はいつしか天狗党の中心にいたり・・野口はずっと野口だったり・・。
亡霊のほうもひとつの時代の亡霊ではないのだからもうたいへん! そして亡霊だと思って見ていた武田金次郎役(小日向文世)と田中平八(横田栄司)は実は生き残っていて、老婆(実はおゆん)と青年とその妻にも濃い関係のあるひとだとわかった。 とか・・
      あーー うまく書けない・・

 お国のために同じ日本人同士でここまで憎み合ったことが悲しく、でもその憎み合ったふたつの血が繋がっていくことに涙が止まらなかったラスト。そんな時代がたった150年くらい前のことだったのに全然知らなかった史実を知ることができてよかった。最初の場面で首が落ちて来るのですが、352人も首を斬られるほどだったとは・・(このシーンでは亡霊たちが自分の首を持ち、それもまた斬られてしまう)酷過ぎて歴史に残したくなかったのかしら?今回長塚さんによって語ってもらってよかったねって思う。
 
今日は席が三列目でしたがセンターだったので問題なく全体が見えたし、斉藤直樹さんがどちらの天狗かも確認出来ました!指の先まで美しくしなやかなほうが斉藤さまですね〜。天狗はひとを食べるのねw(゜o゜)w そして、やっぱり内藤弥三郎(伊達暁さん)が好きと思った私。
 
 
『幕末へとひた走る、疾風怒濤の時代。歴史の花道から消された信念の集団があった。』原作:山田風太郎「魔群の通過」
長塚圭史氏コメント http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/13_akaikurayami/index.html
『幕末。過激な尊攘(尊王攘夷)を邁進したため、賊軍と断ぜられた憂国の士、水戸天狗党一派。尊攘という、いや義という幻想(ロマン)を命を賭して追い求めた天狗党は、あまりにも凄惨なる結末で幕を閉じた。
数年後。目まぐるしく時勢は移ろい、晴れて官軍となった天狗党残党による血で血を洗う復讐劇の幕が開く。
しかしそこでは虚無だけが漠々と無限に広がる。昼とも夜とも夢ともつかぬ暗闇の中、刀を振る音と、肉が裂ける音ばかりが果てしなく聞こえ続ける。
私はこの劇の始まりを天狗党の争乱から八十年余り過ぎた太平洋戦争直後と定めることにした。こうした仕掛け がどれだけのものを生み出せるのかはまだハッキリとはわからないが、活劇だとか史劇だとかといった範疇に収まら ないものになるのではないだろうか。
山田風太郎氏の傑作小説を恐れ多くもあくまで土台とさせて頂き、そして阿佐ヶ谷スパイダース史上最大の劇場となるシアターコクーンという空間を浮遊して、また一つ新たな冒険が出来ればとニヤニヤ武者震いをしている。  長塚圭史
 
 帰りにとても美味しいパインジャムを買った。