ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

【ザ・ファクトリー4】さいたまネクスト・シアター『ヴォルフガング・ボルヒェルトの作品からの九章 ― 詩・評論・小説・戯曲より ― 』★★★★★ 

 歩道にあります。

ヴォルフガング・ボルヒェルトってやっぱり言えない(笑)
早退して行ってきました。蜷川さん率いるネクストがまた素晴らしい作品を届けてくれました。がらんとした大稽古場が舞台に。素晴らしい効果の照明、美術はパイプ椅子だけなのに景色が有り有りと見えてきた。言葉がちゃんと伝わってくるから。震えるほど感動。凄かった。戦争という暗いテーマなのに、音楽のようなリズムを感じる演出も楽しかった。歌、演奏、ザクザクザクと足を踏み鳴らすなどもあり。ドイツで戦争ものだから、もっと堅苦しいのを想像していたんだけど、戯曲のセリフがすごく楽しかった。
 
向こうから・・戦地から重い足を引きずりながら歩いてくる負傷兵たち。体は傾いている、戦い、多くの誰かの頭を壊し、傷付き、故郷へ戻ってきたのでしょう。 (冒頭は、さい芸のガレリアの長い通路を使った演出でした。『財産没収』で線路が轢かれた場所)
 
ヴォルフガング・ボルヒェルト『1921年、ドイツ・ハンブルク生まれ。19歳の時、劇団に入団するが、まもなく徴兵、ロシア(当時ソビエト連邦)との東部戦線に赴く。戦時中、零下40度にもなるロシアでの戦いで負傷、また軍隊やナチスに反対する言動による投獄などを繰り返す。1945年、終戦を迎えフランスの捕虜となるが、護送中に逃亡。故郷ハンブルクまでの約600キロを徒歩で帰る。戦後、演劇の仕事を再開、1946年に詩集『街灯、夜と星』を刊行したほか、数々の短編小説、散文を発表し、1947年には散文集『たんぽぽ』『この火曜日に』を刊行する。同年2月には、戦後ドイツの苛酷な状況を復員兵を主人公にして描いた戯曲『戸口の外で』がラジオドラマとして放送、ボルヒェルトの名を一躍有名にした。しかし、この頃、ボルヒェルトの体は戦時中に患った数々の病に完全に侵されており、同年11月、スイス・バーゼルの病院で、26年の短い生涯を終えた。』http://www.saf.or.jp/arthall/event/event_detail/2013/p1122.html

『彼らにエチュード課題として出されたのは、ドイツの作家ヴォルフガング・ボルヒェルトの作品を原作としたもの。劇団「青俳」時代の蜷川が、67年に稽古場で発表した初演出品だという本作。』
このエチュードのこと、川口覚くんが雑誌のインタビューで答えていましたね。acteurだっけ?3期生の市野くんとやったのは・・もしかしたら浦野くんと隼太くんが演じた「彼女はバラ色のシュミーズを着ているかもしれない」かな?違うかな?
 
蜷川さんに感動をお伝えしたら、「キャスト変えたのもいいだろう」って。今回は川口、小久保のツートップいなかったからね(笑)主役の内田健司くん、とてもよかったわ。ナイーブで優しい顔をしている彼だからこその、ボルヒェルト!もともと痩せているけれど、頬がこけるほど痩せていた。けれども彼は小さな声でも、後ろ向きでも、うずくまった体勢での声も、ちゃんと声が聞こえてくる。これは今回は出ていない川口覚くんを筆頭に、ネクストのみんながそうだから凄いです、蜷川さん。今日は、さいたまネクスト・シアターの皆さんが、声で誰かわかる「自分の声」が出来上がってきたって感じました。
お稽古期間がすごく短かったから、怒濤のごとく本番になだれこんだのかもしれない。その勢いが圧巻だった。演じているものと、この作品の登場人物が年齢的にもリンクしているから、臨場感があり生々しかったのだと思う。

松田くん、ドイツ人に見えたよ。悲しみと狂気に満ちた独白、踊っているわけではないのにダンスのようにも感じました。すばらしかったです。
ダンスのよう・・ これは全体を通してそうでした。
周本さん、隼太くん、浦野くんのこととかも、あとで追記したい。素晴らしかったから!
  来年の本公演がますます楽しみです。