ただただ感動して、カリギュラに、カリギュラとセゾニアに、カリギュラとケレアに、カリギュラとエリコンに、カリギュラとシピオンに 泣いた。涙が溢れた千秋楽でした。
《セゾニア:周本絵梨香、シピオン:砂原健佑、ミュシュス:田中りな》
23日から4日ぶりのカリギュラ。最初に観た16日からの変化でいちばん驚いたのはカリギュラ。ローマ帝国第3代皇帝カイユスGaius Julius Ceaser Octavianus(愛称カリギュラ)を演じた内田健司くん。変化というか進化というか、目の前のカリギュラのもうどこにも内田くん自身がいなくなっていた。ほんとうに驚いて、同時にワクワクしました。16日、そこに立っていたのは、まだ内田くんだったから。23日もまだ内田くんが見え隠れしてたんだと、今日のカリギュラの目を見て改めて、凄いなと思いました(この4日間のことはわかりませんが)。碧い湖のような、悲しみを幾重にも宿した目をしていました。
エリコン小久保寿人くん、ケレア川口覚くんのぶれない演技。そこへダブルキャストのセゾニア周本絵梨香ちゃんが加わることで内田くんを上へ上へひっぱりあげ、壮絶で美しくそして胸に響く『カリギュラ』になったと思う。
覚くんのケレアは、とにかく台本を何度も読むと言っていたことを納得するようなケレアでした。哲学的で知的なセリフ、読み込んで身体に入れなければ観客に伝わらないもの。役を死守してくれてありがとう。
脇を固めるキャストも、一期生はやっぱり安定している、新しい子たちも精一杯カリギュラに翻弄される彼らの運命を生きていた。老けヘアメイク、毎回1時間半かけて自分たちで作っていたという。男の子たちは老人になるためにゴムみたいなのを顔に貼って、皺を作っていたとか。女の子たちは2時間かけて髪も全部自分の髪の毛を盛って貴族にアレンジしていたと知ったのは昨日でした。
鈴木彰紀くんtweet(再) https://twitter.com/Akinori_Akky03/status/438589570968322048/photo/1
松田慎也くんtweet https://twitter.com/shinyaoreoreore/status/438697933764972544/photo/1
小久保くんはタマネギを食べ続けなければいけないので、毎公演前に胃薬を飲んでいたとか・・。今日最初に齧っていたものは茶色い皮がついていました(笑)合計どれだけ食べたんだろう・・血液サラサラになりすぎちゃいそうね。
原作通りにエリコンが生のタマネギを齧ることに蜷川さんがこだわったのは「玉葱を生で齧るのは下層階級のやること。エリコンは玉葱を齧ることで自分を見下す貴族たちを逆に皮肉ってみせてる」という解釈のようです。思っていたより匂わなかったのは、もしかしてマリネしてた?
「カリギュラはきみたちひとりひとりのなかにいる」
『カリギュラ』、蜷川さんが今回復活させた最後の独白 ↑ はないほうが好きだったな。カミュがカリギュラのセリフとして言わせたのですが、こういう教訓(説教)がないほうが私は好き。せめて「おれはまだ生きている!」くらいで終わったほうがよかったな。そのほうが蜷川さんらしいんじゃないかと・・。
ケレアの「どうしてかといえば、生きたいからです。幸福でありたいからです。不条理をありとあらゆる結末へ押し進めるのでは、人は生きることもできず、幸福にもなり得ません」で終わるラストのほうが好きだなぁーー。
おやつ、ありがとう。