はじめての範宙遊泳。武谷公雄さんが出演するからという理由の他に、『紙風船文様4』のとき山本卓卓さん演出の『紙風船文様3』の映像を見て興味があったので、同じく武谷さんファンの友人と観にいきました。
作・演出|山本卓卓 原案|坂口安吾『堕落論』ほか ←読んでいません。
出演|武谷公雄 椎橋綾那 中林舞 名児耶ゆり 根本大介
『63−0という歴史的大敗を喫した日本代表の悲しみと孤独は日本全土を覆った。この悲しみと孤独が半年のうちに世相を変え日本は堕落した。一部の選手は闇屋となり、一部の選手は家庭崩壊に至った。永遠の愛を歌っていたJPOPの歌詞は、いつの日か浮気相手を想う歌詞へと変わり、かつての絶世の天才子役はショッピングモールで戦隊ショーの司会のお姉さん役が唯一の収入源である。選手の元妻となった女は貧しい慰謝料にエステにも行けず鏡を見る度ため息をつく。/人間が変わったのではない。人間は元来そういうものであり、変わったのは世相の上皮だけのことだ。/ところでぼくたち何の試合に負けたのだっけ?』http://hanchuyuei.com/next.html
(お芝居のあらすじではありません。少し変わっています)
ところでぼくたち何の試合に負けたのだっけ?
とても面白かったです。とても「今」すぎる・・。
舞台奥と床に大きく張られた白幕(ゴム製なの?)を使った演出がとても面白かった。そのスクリーンに映る影がおもしろい。「三次元の演劇」・・こういうことだったのか〜と!
途中アクシデントがあったけれど、そこに文字が投影されなかったら、それはそれで、壊れてゆくものの演出だと思って観ていたと思う。
ポケットの中の海。
とてもよかった。2日目だし、そのアクシデントのおかげでもう1回観に行かれるので(それがなくてももう1回観たいと思った)感想はそのときに。
野田秀樹さんのイメージでした(題材がそう思わせるのかな〜『エッグ』のような)と武谷さんに言ったら、そういう話が出ていたようで、でも山本さんは全く意識していない、というより山本さんは野田作品を観ないとか・・。むしろNODA・MAPの『南へ』のほうが『堕落論』に出てくるようなセリフがあったようです。『南へ』を観ましたが、私は本を読んでいないのでわからないけれども。ちなみに根本大介さんは『南へ』に出演していたようです。
武谷選手、他3人を演じた武谷公雄さんは本当に素晴らしい。武谷さんってとても腰の低いふつ〜の感じなのに舞台上のあの存在感はなんなんだろう・・。最高です。
そして、「祈りと怪物」「河童」「青年Kの矜持」「河童」と最近色々な舞台で観ている中林舞さん、振付師さんでもあるのでさすがキレがいいわ。長い手足を惜しみなく投げ出すダイナミックな感じで舞台では大きく見えるのに、帰りがけにお見かけするとそんなに大きくないのですよね。
他のキャストの方もおもしろくて魅力的でした。
終演後友人とおしゃべり。劇場ではよく会うのにゆっくりお茶したのは久しぶりでした。
坂口安吾「堕落論」 青空文庫で読めるのか〜http://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/42620_21407.html
まーーーーーーー読みにくいわ。でも、短いので次回までに読んでおこう。
←フライヤーの束、こんなに分厚い!