読売新聞に読売演劇大賞受賞者喜びの声(上)
「この一本が演劇人として生き残れるかの勝負。全身全霊で作りました」と藤田俊太郎くん。蜷川さんのことは「すべてを学びました。尊敬してやみません」と。「ザ・ビューティフル・ゲーム」の稽古場では出演者と対話を重ね「一人でも腑に落ちないのに先に行く稽古はやりたくなかった」と。
「小田島雄志の芝居よければすべてよし」は文学座の『リア王』
『〜その彼が70歳になって、初めてリア王に挑んだのである。しかも針の落ちる音まで聞こえるようなアトリエという小空間で。彼の体力とせりふ術がここでは十分生かせた』『その結果、むき出しにされた「生」と「死」が、骨と骨とをこすり合わせるような低いきしみ音を響かせる悲劇となった。鵜山仁も、「ヘンリー六世・三部作』を一挙上演して以来、シェイクスピアをたびたび演出してきた成果の到達点を湿したと言えるだろう』『けいこの途中でリア王の登場場面が変わった。リアがコーディリアの死体を抱いて出てくるとき、無理しないで車椅子にすわり、娘を小腕に抱きかかえて現れたのである。それを見てぼくは2人一体になったと思った。リアとコウデ リアと。
毎日新聞に『ハムレット』劇評(高橋豊さん)。『ハムレットが12年ぶり2度目の藤原。白熱の青春時代と違い、30代の今、旧年の蜷川演出「ジュリアス・シーザー」で、アントニーの演説シーンを演じた経験から“言葉、言葉、言葉”の深みのあるハムレット像を造形している。』