シアターイースト。自由席だったので最前列ほぼ真ん中（偶然会った友人が先にいたので、隣りへ）。
『追憶のアリラン』は、古川健さんが、検察官として韓国の平壌に赴任した祖父の実体験を元に創作したフィクションです。
【脚本】古川健 【演出】日澤雄介
『１９４５年８月、朝鮮半島は３５年の長きにわたる日本の支配から解放された。喜びに沸く半島で、在朝の日本人は大きな混乱に巻き込まれた。拘束され、裁かれる大日本帝国の公人たち。罪状は「支配の罪」。７０年前、彼の地朝鮮半島で何が起こったのか？一人の日本人官僚の目を通して語られる「命の記憶」の物語。』http://www.geki-choco.com/next_stage/
観るたびに書いていると思うけれど、劇団チョコレートケーキもまた見逃せない劇団のひとつです。
「劇団チョコレートケーキ『追憶のアリラン』観劇。今回も見応えあり、最初から最後まで息をつかなかった気さえする作品。見逃さず良かった。ますます大好きチョコレートケーキ！こんなスイーツ大好きみたいな感想は合わないと思うけれど、私はいつもこの劇団に忘れてはいけないことを気づかされます。」と帰りの電車でのtweet。
ゲスト出演している渡邊りょうくんへのtweet。『とても素晴らしかった。ありがとうございました。最後は涙で前がかすんじゃった (T ^ T)。今回のりょうくん、かっこよかった！本当にいい役！最後まで頑張ってね。 あ。あのあと、帰りがけに岡本さんにサインいただいちゃいました！よろしくお伝え下さい（＾Ｏ＾）』
【朝鮮総督府平壌地方法院検事局の四席検事】の川崎役の渡邊りょうくんを最初に観たのはなんだっけ？『ミッション』かな？ここ１年はテンションが高い役が多かったので、スーツが似合う役はひさしぶりでした。
そうなんです。けっこう好きで他への客演も観ている岡本篤さん（岡本さん、浅井さん、西尾さんなどチョコの方がゲストだと安心するのです）に、いつも観ていますと、サインいただきました。
エッシャーのだまし絵のような階段のある美術が印象的（美術：蒲田朋子）入り組んだセットで入り組んだ人間模様。
感想書くのがめんどくさいわけでなく、とても良かったこの舞台の感想をうまく伝えられないなーーと思っていたところ、とても良い劇評が載ったのでそれを・・以下。これを読んだら観たくなるはず。19日まで。
日経電子版に劇評（内田洋一さん）『劇団チョコレートケーキ「追憶のアリラン」 困難な歴史に切り込んだ勇気に共感』
2015/4/14 6:00 http://www.nikkei.com/article/DGXMZO85608870T10C15A4000000/
『勇気ある作劇というべきだろう。歴史認識問題で揺れる日本と朝鮮半島の現代史に真っ向挑んだ力作である。南北分断の政治的現実、日本統治時代の歴史的総括は今なお触れれば物議をかもす題材。その困難におくせず、ストレートに描く世代が出てきたのだ。「朝鮮」よりでもなく「日本」よりでもなく、共産主義よりでもなく自由主義よりでもない。この力業に拍手を送る。』
『２時間15分ほどの、息もつかせぬセリフの応酬は見ごたえ十分。大日本帝国統治下の平壌で裁判所に勤めた検事、豊川千造と彼に従った朝鮮人事務官、朴忠男の心の交流。ソ連参戦で敗色濃厚になったとき、一目散に逃げた朝鮮総督府の平壌憲兵隊長、居残って残務処理にかかわる日本人検事たちの人間模様が描かれる。日本からの解放後、公開人民裁判で拷問の嫌疑をかけられる豊川たち。身の危険を顧みず、無実の罪を晴らそうとする朴とその言葉に打たれる朝鮮の農民……。』
みなさん素晴らしく、私は中でも朝鮮人事務官、朴忠男を演じた浅井伸治さんのまっすぐな瞳から目が離せなかった。正義とかではなく、人間同士の感情が見えていて。
ただ、月影瞳さん演じる三席検事の豊川（佐藤誓）の妻が、見た目も若く「おとうさん」と呼んでいたので途中まで娘さんかと思っていました。
いつものように資料入りのファイルが客席に。前売り3300円とチケット代お安いのに（涙）
このPV、芸劇１階で見られるのは舞台映像入りのに変わるみたいです。
（1:43 - 2015年4月19日追記）池田成志さんの感想tweet「事実を丹念に取材した芝居のなんと、ふくゆかな事か。映像的な芝居で、すごく見応えありで大満足。話題は聞いてたけどこの、劇団名とそぐわない集団、観てこなかったことを後悔。人間の正義の曖昧さを痛感。感動に逃げない姿勢も好感。渋く染みた。すごいっすね。」
https://twitter.com/narupinsky48/status/589469338664443905
追憶のアリランPV https://www.youtube.com/watch?v=CcoMED8dwJo
