ル・ステュディオにて。
1982年/フランス/104分/カラー/16mm
監督・編集:クリス・マルケル 音楽:モデスト・ムソルグスキー、ミシェル・クラスナ 特殊効果:山猫駿雄
歌:アリエル・ドンバル ナレーション:池田理代子
『詩的なナレーションとスチル写真のモンタージュで独特の美学を追求するシネアストによるドキュメンタリー。南の象徴としてのアフリカと、東の象徴としての日本。相対する二つの地を、フランス人監督ならではの客観的な視点で捉える。世界を旅するカメラマンからの手紙。ある女性の朗読から物語は始まる。アイスランドの少女たちの夢のような姿、日本とアフリカの豊饒なイメージのコラージュ……。生涯にわたって旅を愛したマルケルによる本作は、時間と場所、存在と歴史、忘却と祈りへと捧げられた讃歌である。』http://www.maisonhermes.jp/ginza/movie/archives/9936/
『ある女性が世界中を旅するカメラマンからの手紙を読むという形式で日本とアフリカを捉えたドキュメンタリー。製作はアナトール・ドーマン、監督・脚本・撮影、編集は「AK ドキュメント黒澤明」のクリス・マルケル、ナレーターはフロランス・ドレー(仏語版)、アレクサンドラ・スチュワルト(英語版)、池田理代子(日本語版)、歌はアリエル・ドンバールが担当。日本語版に関する関係者は、製作を松本正道、翻訳を福崎裕子、台本を原章二と町枝実、台本監督を梅本洋一、演出を野上照代が担当。世界中を旅するカメラマン、サンドール・クラスからの手紙をある女性が読む。それと同時に彼が目撃し記憶した映像が展開される。クラスナは日本とアフリカに惹かれているのだ。まず、カメラはアイスランドの三人の少女を描き出す。続いて函館から青森へ向かうフェリーの中へとワープする。夜明けと共に、都市<東京>へと入ってゆく。こうして日本のスケッチをゆるやかなテンポで映し上げ、やがて、舞台はアフリカへと移ってゆく。ギニア・ビサウの独立の闘士アミルカル・カプラル、彼の遺志をついで大統領となる弟のルイス、そしてクーデターを起こしてルイスを投獄する指令官ニノの映像を次々に甦らせる。そこにヒチコックの「めまい」が挿入される。ムソルグスキーの美しい歌曲が流れる。彼の旅はやがて終りに近づく。』(映画.com)
不思議な映画でした。全編モノローグなんだもの。池田理代子さんのナレーションが淡々としているんだけれど、幅のある温度を感じました。サン・ソレイユ(Sans Soleil )=太陽なしで=「日の光もなく」という意味。
私はヒッチコックの「めまい」のスパイラルの考察のところが好き。