シス・カンパニー『RED』劇評(杉山弘さん)『魅力的な場面が続く。天の啓示が降りてくる瞬間を待つロスコの絵画に対する厳しい姿勢。大鍋に生卵やチョークなどを混ぜてリズミカルにハケを動かす下塗りの作業の躍動感。表題の「RED(赤)」からイメージされるものを、ラップの掛け合いのように闘わせる2人…。
『頑固で独善的だが創作に一途なロスコは、一つの時代の終わりを感じている。情熱的なケンは、新時代の到来に胸躍らせれいる。なだらかな曲線を描きながら交差する2人の人生は、まるで沈む夕日と昇る朝日のよう。同じ光を放つものの、目に映る赤系の色彩は微妙に違う』