死者との対話「願はくはこれを語りて平地人を戦慄せしめよ」「遠野物語・奇ッ怪 其ノ参」(河野孝さん)
「ヤナギタは遠野の青年、ササキ(瀬戸康史)から聞いた話で、事実と主張。議論の最中にササキが警察署に現れる。「遠野物語」の話を紹介しながら、舞台は現世と異界の境目へと迷い込む。語り部として登場するのがササキの祖母、ノヨ(銀粉蝶)。山人や河童など奇ッ怪な伝承を遠野弁で話すのが達者で心地よい。」「能舞台を変形した簡素な舞台。感覚を澄ませば、近くの山で見守る先祖の霊や異形の者の存在を意識できる。われわれの生はわれわれが葬り去ってきたもの、死者との対話の上に成り立っていることを示す。」「「奇ッ怪」シリーズ第3弾の今回、前川は「なぜ、物語が生まれたのか」を主眼に置いた。柳田は近代化の過程で切り捨てられた記憶の集積の上に生まれた怪奇譚をあえて記した。それは、現代人が日常と思っているものこそ奇ッ怪であり、われわれがどこに向かっているのかを再考させる。」http://www.sankei.com/entertainments/news/161113/ent1611130010-n1.html