高校生の頃にはまって読んだ安部公房。戯曲は読んだこともなくて、舞台で安部公房作品を観るのは初めてかも?
「夜は新国立劇場 小劇場にて安部公房の『城塞』観劇。上村聡史さんの演出。予想外にテンポが良くおもしろくて引き込まれた!なので、今ぐったり。冒頭の日の丸。赤いカーテンを開けた時に、このゲームのような劇中劇の時代が明らかになる。舞台が大きな日の丸に包まれたラストに苦しくなった。」
日本の戦争責任問題がテーマです。
B2列(Aはなく、2列目)
作:安部公房 演出:上村聡史 美術:乘峯雅寛 照明:沢田祐二 音響:加藤 温 衣裳:半田悦子
予定上演時間:約2時間25分(1幕55分 休憩15分 2幕75分)http://www.nntt.jac.go.jp/play/performance/16_007980.html
「STORY
とある家の広間。爆音が響く。電燈が尾を引いて消える。どうやら戦時下のようである。「和彦」と呼ばれる男とその父が言い争っていた。父は「和彦」とともに内地に脱出しようとするのだが、「和彦」は母と妹を見捨てるのか、と父を詰る。しかし、それは「和彦」と呼ばれる男が、父に対して仕掛けた、ある”ごっこ”だった……。」
中央に地下への扉が。↓
「SEVEN HEARTS」阪 清和さんの劇評。「ゲームなのか、それとも必要に迫られた実験なのか。やがてそこは、太平洋戦争の敗戦直後、ソ連軍の侵攻や八路軍の襲撃に脅える日本人たちが暮らす大陸の屋敷へと変貌していく。」http://blog.livedoor.jp/andyhouse777/archives/66249036.html
「テーマを落とし込んだ劇的なビジュアル。例えば、父親がこの劇中劇の舞台に現れるのに出て来る扉を、安部公房は「正面のドア」としているが、上村はこれをそのまま舞台後方の真ん中に設定せず、地下部分から這い上がって来るような、上に引き上げる扉にしている。」「このことで、劇中劇は劇的な色彩を帯び、それに現れる父親の変貌、決意もまたドラマチックなものになる。重力に抗うことで粘着性を帯びる登場がなんとも味わいのあるものになるのである。そしてそれは最終盤、地の底に戻ろうとする父親の焦燥感や、狂気の昂進とも重なって来る。」