ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

『マリアの首 −幻に長崎を想う曲−』★★★★★ 

かさなる視点―日本戯曲の力― Vol. 3「マリアの首 −幻に長崎を想う曲−」The Head of Mary: Nagasaki as Theophany http://www.nntt.jac.go.jp/play/performance/16_007981.html
 約2時間35分(1幕65分 休憩15分 2幕75分) B3列(4列目でした)
 
新国立劇場小劇場にて『マリアの首』観劇。凄かった。鹿(鈴木 杏)と忍(伊勢佳世)の中からしぼり出た言葉が弾丸のように飛んできて、胸が潰れるような思いに。降り止まない雪が美しくも悲しい白い灰のようにも見えた。
鈴木杏ちゃん、素晴らしいな。そして伊勢佳世ちゃんはイキウメを退団してよかったんだなと感じました。イキウメ大好きな私ですが、今日の佳世ちゃんは声も演技も一皮むけたようでした。
同じ過ちを繰り返さないでほしい「イマ」観たい作品になっていました。
 
荒廃したセットも素晴らしかった。中央にある掘っ建て小屋(鹿が体を売る部屋)が回って場面転換するのだけれど、手動でした。斎藤さまが(戦争で傷ついた片足を引き摺りながら)回していました。
席が前の方だったのではっきりしていないけれど、床に当たる照明、十字架だったよね。ずっとではないけれど。

作:田中千禾夫 演出:小川絵梨子 美術:堀尾幸男 照明:服部 基 音楽:阿部海太郎 音響:福澤裕之 衣裳:中村洋一
キャスト:鈴木 杏 伊勢佳世 峯村リエ 山野史人 谷川昭一朗 斉藤直樹 亀田佳明 チョウ ヨンホ 西岡未央 岡崎さつき
 
『爆撃され被爆した浦上天主堂の残骸を保存するか否かで物議を醸していた終戦後の長崎。昼は看護婦として働き、夜はケロイドを包帯で隠して娼婦として働く鹿。夫の詩集と薬を売りながら客引きをし、生計を立てている忍。鹿と忍が働く病院で献身的に働く看護婦の静。いつまでたっても保存か建て壊しか結論の出ない市議会を横目に、原爆で崩れた浦上天主堂の壊れたマリア像の残骸を、秘密裏に拾い集めて、なんとかマリア像だけでも自分たちの手で保存しようと画策する女たち。雪のある晩、最後に残ったマリアの首を運ぼうと天主堂に集まったが、風呂敷に包もうとしても、マリアの首は重く、なかなか動かないのだった……。』
 
「旧天主堂に飾られていた高さ2mのマリア像は原爆により破壊され、焼け跡から頭の部分だけが見つかった。」「祭壇に描かれた「平和」の文字は、浦上キリシタンが迫害時に縛られて見せしめにされた柿の木の根っこを使用して書いたものである。
」原爆により破壊された浦上教会のマリア像の、焼け跡から見つかったマリア像の首。展示されているのね。http://oratio.jp/p_column/mariazo-sukinaunmei 
 マリアの首を動かそうと抱えた忍の叫び声が耳から離れない。
1984』  『チック』