ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

「Perspectives:黒沢清 x 前川知大」★★★★★ 

大好きなイキウメの前川さんと黒沢清監督が「散歩する侵略者」のトークすると知り、是枝監督と坂元裕二さんのトーク(ttp://d.hatena.ne.jp/Magnoliarida/20170825/1503674061)も楽しかったので、即申し込みんだわけで・・参加してきました。立ち見もいたようです!
司会の奥浜レイラさんは大堀久美子さんくらい良かった!
 
すごく楽しいトークで、だって相思相愛のおふたりですから。
黒沢清監督が「散歩する侵略者」を映画化するとしたら「1番うまく撮れるのは僕しかいない」 とおっしゃったのがすごく嬉しいと前川さん。そのことは今までの対談で言われなかったのね〜。
演劇と映画においての「日常」の違いのお話がとても興味深かったです。ホント、ストンと落ちました。

トークの内容は、以下。すっごく詳しいレポート。
黒沢清散歩する侵略者』の原作愛を語る「1番うまく撮れるのは僕しかいない」(映画ランドNEWS)http://www.eigaland.com/topics/?p=58221
「黒沢監督は前川率いる劇団「イキウメ」の大ファンらしく「毎回ごく当たり前のような日常に変なことが起こるんですよ。それがスリリングという言い方が一番あたってるのかどうか、とにかく僕『イキウメ』のファンなんです」と生き生きと語り、同名舞台が2011年に再演された時には既に脚本を書き進めていたと明かした。」
「一方、前川も本作のメガホンを取るのが黒沢監督だと聞かされた時を振り返り「僕その前から自分が影響を受けたものとかで黒沢監督の名前を常にあげるくらいすごくファンだったので、それですごくびっくりしました」と当時の喜びを明かした。特に『CURE』幽霊の描写とかをすごく影響受けましたし。『回路』とか2000年前後、その辺の作品にはものすごく影響を受けています」と語った。続けて前川は自身の作風について「黒沢さん自身の作風を語る言葉っていうのがそのまんま『イキウメ』の作風に結構当てはまるなって思っていて。それはやっぱり僕の影響を受けたものが黒沢映画だったりなので。だから似てきてよかった。というかちゃんと出来てるな感じがします」と黒沢監督への尊敬の意を述べた。」
「そんな作風が似ている2人、しかし表現の仕方は映画と演劇と違うのでは?と言う疑問から黒沢監督が「映画は日常を写すっていうのはかなり簡単なんですよ。日常はその辺ゴロゴロ転がっているものをただ撮ればいいですが、演劇でまず日常から始めるって結構大変じゃないですか?」と前川に質問を投げかけると「1つは会話の雰囲気じゃないかなと思っているんです」と返答。続けて「(本作の)台本を稿が重ねるたびに送っていただいて、演劇に比べて言葉がシンプルでストレートなんですよね。それって戯曲からするとやりすぎじゃないかと思うんですけど、実際に映画を見ていると日常は写っている絵で否応にも表現できている。言葉が日常から離れていても、シンプルでも情報としてストンと入ってくる感じっていうのは、(映画において)バランスがいいんです。演劇は、逆に日常生活のノイズを入れて、言い澱みや思考してる時のタイムラグを重視しています」と解説、それに黒沢監督は「納得しました」と素直な気持ちを打ち明けた。
「また映画化に当たって舞台と変えた点は?との質問に黒沢監督は「侵略者のありようはほとんど演劇と変えませんでした。このままでいいなと、そのくらい元々が出来上がっていたので」と原作を賞賛した。一方で、額に人差し指をあて、概念を奪う動きは黒沢監督による演出だったようで「ついやっちゃった(笑)わかりやすいので(笑)ついやっちゃったんですよ(笑)」と笑い「何か決定的なこと相手にしでかす時にをやった時にチョンとやった瞬間、相手がもうおかしくなるっていう。そういう表現あるじゃないですか。怖いというよりはおどけたようなそういう描写として取り入れました」と演出秘話を披露。そのおどけ具合故に、侵略者としての奇妙を持ち合わせながらも、どこか愛せてしまいますよねMCに言われると前川は「松田龍平さんって普段から宇宙人ぽいっていうか。この役って演劇で何度かやってますけどすごく難しくて、俳優さん本人が持っている佇まいとか雰囲気とかが重視されると思います。可愛いんだけど怖いし、怖いんだけど守らなきゃとなってしまう。松田さんの真治はすごく面白かったですね。よかったです」と太鼓判を押した。」
 
散歩する侵略者黒沢清×前川知大が映画と演劇における“日常”語る(映画ナタリー)
http://natalie.mu/eiga/news/249271
「映画と演劇における“日常”について、2人が意見を交わす。「映画は日常を撮るのがえらく簡単なんです。そこら辺を撮っていたらゴロゴロと映るので。でも舞台で日常を描くのは大変じゃないですか」と話す黒沢は、前川に「演劇は日常と非日常の区別をどうつけているのか」と問う。前川は「1つは会話の雰囲気です。演劇では、しゃべっているときに『やっ、えっ、ああ』と言いよどんだり、思考する間があったり、そういった“ノイズ”が日常として機能する。黒沢さんから稿を重ねるたびに送っていただいていた映画の脚本は、演劇に比べて言葉がシンプルでストレートだと感じました」と述べ、「でも実際に完成した映画を観ると、ある程度言葉が日常とかけ離れていても、すでに画面に日常が映っているせいか情報としてストンと入ってくるんです」と続けた。その説明に黒沢は「ものすごく納得してしまいました」と一言。そして「映画で前川さんが言ったような生々しい会話をやってしまうと、日常ではなく、変な雰囲気になってしまうんです。すでに画として映っている日常を俳優が壊してしまう。だから映画では俳優にシンプルにしゃべらせたほうが成立するんです」と返答する。一方で、実力のある俳優が生々しいセリフを発するからこそ成立してしまう場面もあるという黒沢は「散歩する侵略者」の長澤の出演シーンに言及。「『絶対に言わないだろうけど、言ってください』とお願いして。そこを実にうまくやってくれて。ああ、これが俳優の力だなと思った」と語った。」