ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

『テイク・ミー・アウト Take Me Out 2018』★★★★★ 

 今日は応援している藤田俊太郎くん演出の舞台「テイク・ミー・アウト 2018」(2016年12月初演)を観にDDD青山クロスシアターへ。
 K列、とてもいいお席でした。
 
キャストは栗原類、味方良介、小柳心、Spi、章平、吉田健悟、竪山隼太、田中茂弘が続投。今作から玉置玲央、浜中文一陳内将が参加。再演だけど、演出がガラリと変わっていた。すっきりした印象。音楽も、小道具も、舞台上に設置されたモニターに映る映像も変わっていて、とてもいいブラッュアップが出来たんだなと思う。なので再演ではなく2018年版。

応援しているネクスト・シアターの竪山隼太くん(日本人プレーヤー・カワバタの誰とも言葉が通じないロッカールームでの孤独な表情が切ない。頑張れ、カワバタ!)はじめ、キャスト全員心の中がちゃんと見える繊細な演技をしているんだけれど、それがとても自然でした。
ストーリーテラー的な役割をするキッピー役の味方良介くんの安定感。
チームの神的なスター選手である主人公のダレンを演じる章平くんが初演でも役にぴったりだと思ったけれど、今回も・・ダレンそのもの。身のこなしがとてもセクシーで100%のスター性を醸し出しています。

ロッカールームが教室にも会社にもコミュニティにも置き換えて見ることができる。そこにいる私は、どうするのだろう。

シェーン役の栗原類くんは初演で気になっていた投球フォームがちゃんと選手らしくなっていてホッとしたり・・。シェーンが言葉を知らない理由が切ない。母は父に射殺され父は銃で自殺、グループホームで育つ・・銃ってアメリカならではだなぁ・・。
キャッチャー・ジェイソン役も新メンバー?と思ったら、初演と同じ小柳心くん、見た目も違うし(前はメガネかけていなかったよね)お国訛りもバージョンアップされていて、そんなジェイソンに癒されたり・・。

初演で良知くんだったダレンの会計士・メイソン役の玉置玲央くん。良知くんと全然違う役へのアプローチで、それが私にはとても心地よかった(好み)。玉置くんのメイソンが舞台を引き締めていたと思う。チャーミングでしたし・・。
 
ただ長期の公演だからか、4月の週の初めということもあり空席があり、もったいないなぁと思った。もう少しチケット代が安ければ・・またはリピーター割引があればいいのに。いろいろ事情があってのお値段だろうけれど・・。いい作品なので観てほしいなー。
 
【藤田俊太郎 開幕コメント】冬が終わり、春が来て、野球の季節がやってきました。 Take Me Out to the Ball Game 私を野球に連れてって、ここではないどこかへ。 『Take Me Out 2018』開幕。笑って、泣いて、観終えた後、ほのかに幸せな気持ちを持って帰っていただけるような作品です。爽やかな春風のような素敵なお芝居に仕上がりました。観客の皆様に心からの愛を込めて。
 
【ストーリー】男たちの魂と身体が燃え滾る、「ロッカールーム」。彼らにとってそこは、すべてをさらけ出せる楽園だった。ひとりのスター選手による、あの告白までは−。黒人の母と白人の父を持つメジャーリーグのスター選手、ダレン・レミングは、敵チームにいる親友デイビー・バトルの言葉に感化され、ある日突然「ゲイ」であることを告白。それは、150 年に及ぶメジャーリーグの歴史を塗り替えるスキャンダルであった。しかしダレンが所属するエンパイアーズ内には軋轢が生じ、次第にチームは負けが込んでいく……。そんなときに現れたのが、天才的だがどこか影のある投手、シェーン・マンギット。圧倒的な強さを誇る彼の魔球は、暗雲立ち込めるエンパイアーズに希望の光をもたらしたのだが−。
 
★再演ではない新たな『Take Me Out』稽古レポ「稽古中、藤田の口から何度か「お客さんを当事者にしたい」という言葉が俳優たちにも伝えられ、そのための演出もつけられていた。思想や宗教、見た目も違うさまざまな人種が、野球をするために集まっているロッカールーム。スター選手のある告白を機に巻き起こる出来事は遠い世界のはずだったのに、覗き見しているうちにいつの間にか自分自身がそこにいた…そんな感覚をぜひ劇場で体感してほしい。」(取材・文:中川實さん)http://ticket-news.pia.jp/pia/news.do?newsCd=201803190001
  
★今ここで起きるドラマ『Take Me Out』上演中(取材・文:中川實さん)https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180403-00000000-pia-ent
「物語は、メジャーリーグの黒人プレイヤー・ダレン(章平)がメディアを通して「自分はゲイである」と告白することから始まる。ダレンの告白に理解をみせる者、差別する者、拒絶する者、さまざまな人間が現れるが、スタープレイヤーのダレンは「自分のアイデンティティに苦しんでいる子供の励みになれば」と意に介す様子はなかった。しかし、二軍から上がってきた抑えの投手・シェーン(栗原)がインタビューで語った言葉がある事態を巻き起こす――。」
メジャーリーグチームのロッカールームという野球だけが共通項の人間が集まる閉鎖的な空間で、人種、LGBT、宗教、教育、家柄…などさまざまな要素が絡み合い、登場人物たちの正義や価値観、考え方、性質が浮き彫りになっていく作品。客席が舞台と地続きで両側から覗き見るような構造は、登場人物の感情の揺れが「今ここで起きていること」として生々しく感じられ、客席までロッカールームが広がってくるような感覚にも陥る。」
「再演ということもあり、深みを増した芝居も魅力。新キャスト続投キャスト関係なく、キャスト一人ひとりの芝居がより繊細に、そしてより明確にこの世界をつくりあげており、伝えることへの強い意思を感じた。ダレンの会計士・メイソン役の玉置は、作品の中では唯一野球の外側にいる人間であるメイソンがダレンにもたらすものをくっきりと鮮やかに見せ、それがダレンの心の動きをも際立たせる。また、ダレンのチームメイト・キッピー(味方)のくせものぶりも見事。キッピーが上手に隠すさまざまな“意図”を、小劇場ならではの繊細な芝居によって初演以上にしっかりと伝えていた。また今回は作品の舞台が2003年であること――2001年にNY同時多発テロが起き、イラク戦争が開戦したという時代背景を意識すると、台詞の端々に込められたものもより深く理解できるはず。」
 
言葉が織りなす人間模様と美しい愛の物語『Take Me Out 2018』ゲネプロレポート http://engekisengen.com/stage/shuzai/tmo2018-report/
「再演となる今回は、その様子がより明確に伝わるように初演から演出方法を大きく変えたという。藤田氏がインタビューで語っていた「“言葉の演劇”をやりたい」という言葉の通り、舞台上からモノを極限まで減らし、シーンチェンジから状況説明まで、あらゆるものを言葉によって表現している。モノを減らしたことにより、役者1人1人にフォーカスが当たり、彼らが何故、今、その言葉を発するのかということに重点的にスポットが当てられるのだ。」「それにより増す“言葉の持つ脅威”への重み。言葉は時に人を励まし、勇気づけるが、その一方で鋭利な刃物のように鋭く突き刺し、相手を傷つけることもある。発信者の意図と受け手の捉え方は必ずしも一致しない。その間にあるのは人種による言葉の壁かもしれないし、それぞれの価値観の差かもしれない。その時の心境によっても変わってくるだろう。ダレンのカミングアウトに付随して浮き彫りになっていく様々な出来事は、日々の生活の中で忘れかけていたものを我々に改めて考えさせるきっかけを与えてくれるのである。」
 俊太郎くん、カワバタ隼太くんと。
藤田俊太郎くんの演出、2018年は再演の年になるのかなー。
★★蜷川さんが演出する予定だった『蜷の綿』を俊太郎くんに演出してほしいと思っています。彼しかいない!!★★
 ブロードウェイミュージカル『ピーターパン』再演。2018年7月21日(土)〜8月1日(水)http://hpot.jp/stage/peterpan
 ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』再演。2018年9月7日(金)〜10月3日(水)http://www.tohostage.com/jersey/