ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

映画『2重螺旋の恋人/原題:L'Amant double』★★★★ 

 仕事帰りに映画。
 
脚本・監督フランソワ・オゾンの『2重螺旋の恋人』螺旋状に謎が謎を呼び現実と妄想の境目がどんどんわからなくなりずっと息苦しい。衝撃的な映像が所々に出てきて度々ヒィッてなるけれど、クロエを演じたマリーヌ・ヴァクトや、シンメトリーの精神分析医の部屋や螺旋階段、家に帰る時に渡る橋(後ろにアパートメントのドア)家の内装、何より美術館の美しさにうっとり。その展示内容はクロエそのもののよう。ポール・メイエルとルイ・ドゥロールの二役を演じ分けたジェレミー・レニエも素敵。

 
公式サイト http://www.nijurasen-koibito.com/

あらすじ「原因がわからない腹痛を患うクロエ(マリーヌ・ヴァクト)は、精神分析医ポール(ジェレミー・レニエ)の的確なカウンセリングにより、症状が良くなった。ポールと同居を始めたクロエはある日、ポールの双子の兄弟で同じ精神分析医のルイ(ジェレミー・レニエ)と知り合う。ルイの存在を隠すポールを不審に思ったクロエは、真相を確かめようとルイの診察を受けるうちに、挑発的なルイのことが気になり始める。」シネマトゥデイ より
 
「原作はノーベル文学賞候補にも挙げられる米の女流作家ジョイス・キャロル・オーツの短篇『Lives of the Twins』だが、オゾンがインスパイアされたのは40年代ハリウッドの悪夢的なフィルム・ノワールである。とくに心理学士が殺人犯の容疑をかけられた双子の姉妹(オリヴィア・デ・ハヴィランド)の真相を追うロバート・シオドマクの「暗い鏡」(46)は、モチーフが酷似しており、もっとも深い霊感源となったのは間違いない。オゾンは、さらにクライマックスで、鏡像としての寄生性双生児を破損させる大胆な視覚化として、ひび割れた鏡のイメージをオーソン・ウェルズの「上海から来た女」(47)の鏡の間の幻惑的な銃撃シーンから引用している。ただしリタ・ヘイワースのような破滅的なファム・ファタールではなく、つつましいヒロインの官能を幻視する魅惑的なドラマとして着地させたところに、フランソワ・オゾンの類い稀な現代性があるのだ。」(高崎俊夫さん)