■演出・振付・美術:インバル・ピント
大好きな日本でまた仕事をさせてもらえることをとても嬉しく思います。
村上春樹さんのスケールの大きな物語を凝縮し、ドラマ性やミステリー要素を失わずにダンス、音楽、テキストなどの表現を用いて舞台化するのは、大きな挑戦です。
アミール・クリガーさんとは、お互いに持っている世界観が近いということはわかっていますが、一緒に仕事をするのは今回が初めてです。打ち合わせを重ねる中で、彼と共に作品をより深いものにし、一人ではたどり着けないような領域に達することができるだろうということに気づき始めています。
まだ多くの時間を共有できていませんので第一印象にはなりますが、藤田貴大さんは聡明で優しい方だと思います。
大友良英さんはこれまで私がご一緒したどの音楽家とも違った方法で音楽を作り出す方なので、この作品ではどんな音が生まれるかとても興味深いです。
好奇心を刺激するクリエーターの皆さんとの共同作業をとても楽しみにしています。
■脚本・演出:藤田貴大
村上春樹さんが「ねじまき鳥クロニクル」で扱っている30代の男性は自分と同じ世代で、今自分が取り組みたいモチーフと一致しているから、とても興味があります。
今回一緒に演出をするインバル・ピントさんの作品を過去に観て、その世界観に惹かれて、彼女の創作現場を見てみたいと思いました。そして、今までも作品を共に作ってきた大友良英さんとの新しいクリエーションもとても楽しみです。
■成河:岡田トオル役
インバルともう一度作品創りをしたい、特に初演となる作品のクリエイションに参加したいと常々思っていたので、念願が叶ったという思いです。そして僕は藤田貴大さんの作品のファンなので、インバルの世界に彼が脚本・演出として携わることに、大きな期待と未知への喜びを感じています。今回の村上春樹さんの原作はとにかく大ボリュームで、果てしない迷宮。これはちょっと前人未到の演劇製作になるぞと武者震いをしています。