■ものがたり■
清玄の足取りは覚束ない。その時一人の男、権助とぶつかる。権助の目つきはケモノのようである。清玄はその恐ろしい眼から、しかし視線を逸らさずにいる。権助もまた同様に。やがて互いに顔を背け、歩き出した瞬間、完全に点対称で動いた事に一瞬振り向く二人だが、気のせいだとそのまま歩んでいく。
清玄の足取りは覚束ない。その時一人の男、権助とぶつかる。権助の目つきはケモノのようである。清玄はその恐ろしい眼から、しかし視線を逸らさずにいる。権助もまた同様に。やがて互いに顔を背け、歩き出した瞬間、完全に点対称で動いた事に一瞬振り向く二人だが、気のせいだとそのまま歩んでいく。
戦後復興の救世主、慈悲深き聖人と呼ばれる清玄の孤児院さくら学園。今日、『彼女』はそこから嫁ぐ。彼女が見つめる窓の外を楽隊が通る。
「あっちですよ、お嬢さん。物語はあっちで始まります」
吉祥寺シアターのカフェの手の込んだコラボメニューも劇団にしかできない試みだなぁと思った。おにぎり美味しくいただきました!
カクテルの名前もおしゃれ。
四代目鶴屋南北『桜姫東文章』も尖っているらしい(東海道四谷怪談くらいしか観ていない私)。
長塚さんの『桜姫』も力強く凄惨だけど最後清々しく打ち上がった。遊びを盛り込んだせりふも生き生きしていてとても好きでした。
あ、ばんどごろしはラストに来たねー。
奈落から3階通路までたっぷり使う演出も楽しい。波や雨や蝉や赤ちゃんの泣き声など全て生の効果音だし、コロスのような「音楽」も良かった。
え、ここ?とびっくりしたサイド席最前列で権助・伊達暁さんを堪能してきました。入るときチケットにサインいただきました!
[原作] 四代目鶴屋南北 [作・演出] 長塚圭史 [音楽] 荻野清子
[出演] 大久保祥太郎 木村美月 坂本慶介 志甫真弓子 伊達 暁 ちすん 富岡晃一郎 長塚圭史 中山祐一朗 中村まこと 藤間爽子 村岡希美 森 一生 李 千鶴
[舞台監督] 足立充章 [美術] 片平圭衣子 [照明] 齋藤茂男 [音響] 内藤勝博 [衣装] 柿野 彩 [ヘアメイク] 河村陽子 [大道具] 鈴木太朗 唐崎 修 [演出助手] 山田美紀