駅前劇場にて『墓場なき死者』観劇。アフタートークも。
ドイツ占領下にあるフランス人民兵のフランス人レジスタンスへの拷問の場面は目と耳を覆いたくなったけれど、とても良かった。
サルトルの戯曲「墓場なき死者」の旧訳は知らないけれど岩切正一郎さんの新訳の言葉が美しいので俳優さんの声で耳に残る。拷問する側とされる側が表裏一体。加害者と被害者がそうであるように。
岩切先生の声のご出演(ラジオから流れるニュースの声)にも感動。
レジスタンスの彼らの兵士になる前の職業はなんだろう。15歳のフランソワは学校に行っていたんだろうけれど、渡邊りょうくん演じるソルビエは詩人?と思うくらい言葉が詩的だった。
土井ケイトちゃんが演じるリュシーがもう素晴らしくて、引き込まれっぱなしで胸が苦しくなるくらい。過酷な目にあうのに屈しない美しさ。とても良かったです。
リュシーの弟15歳のフランソワ田中亨くんが可愛い。彼の死はとても辛いけれど拷問されなくてよかったと思う。
民兵では人間味のあるクロシュ阿岐之将一さんが好き。クロシェはもしかしたらレジスタンスになる前の誰かと友人だったかもしれないな。
レジスタンスの「決して口を割らない」という行動(英雄になりたいわけではない行動)に彼らの自意識・自分の存在意義が試されているのか?
狂気・孤独・仲間意識・友情・愛情・信頼・信念。そこにあるプライド。
「言葉なんて風にすぎない」byクロシェ
オフィスコットーネプロデュース
第31回下北沢演劇祭参加作品「墓場なき死者」
翻訳:岩切正一郎
演出:稲葉賀恵(文学座)
プロデューサー:綿貫凜
出演:土井ケイト / 田中亨 / 中村彰男 / 富岡晃一郎 / 渡邊りょう / 池田努 / 阿岐之将一 / 柳内佑介 / 武田知久 / 山本亨
美術:長田佳代子 照明:松本大介(松本デザイン室)音響:原島正治(囃組)衣裳:竹内陽子 舞台監督:野口 毅 演出助手:城田美樹 宣伝写真:宮本雅通 宣伝美術:郡司龍彦
あらすじ:
「1944年7月、ドイツ軍占領下のフランス。
連合軍のノルマンディ上陸後、ドイツの敗北が色濃くなる中、レジスタンスの村が襲撃される。 フランスの自由を勝ちとるため戦うレジスタンスの兵士たちは、村民とともにドイツ軍に虐殺される。 わずかに残った5人の兵士は、ドイツに協力しているペタン政権派の民兵により監禁され、 隊長の行方を吐くようにと拷問を受ける。 拷問する側も拷問される側も同じフランス人だ。 5人の兵士たちは、隊長の所在を明かしてしまうかどうかで諍いを起こす。 極限状態の中、果たして彼らは自尊心=プライドをかけて何を選択するのだろうか・・・。」
↓ 観ていなかったインタビュー。
レジスタンス側
民兵側
サルトルの名言
「人間は自由であり、つねに自分自身の選択によって行動すべきものである」
こんな映像があった〜。
Morts sans sépulture
Tous les mardis et mercredis à 21h.
Du 29/01 au 01/05.
Théâtre de Ménilmontant.
Mise en scène : Audrey Bertrand.
Interprétation : Jérôme Aubert, Audrey Bertrand, Maude Bouhenic, Adrien Bourdet, Alexandre Bustanoby, Maxime Deschamps, Romain Henry, Jérémy Leite, Noé Pflieger, Noémie Ribaut-Savard.