初日ぶりの『雨花のけもの』へ。
今日はL列センターブロックで。この前のサイドの席(L46)と全然見え方が違った。ガラスに映る雪景色やラストの小屋の中が今日は見えた…小ホールはすり鉢状の客席だからなのね。
何より初日より全員の呼吸が合ってきていて流れがよくなり、だから物語に集中できた。初日はぶつ切れ感が否めなかったから…おもしろさに気づかなかった私。
そして髙橋英希くん演じる、この物語の舞台となる唐木邸の世話係の辻森がやはりキーマンだということがラストにわかった。「辻森」とはけっきょく誰の…何のメタファーなんだろう。
サイドの席で観たときとラストの印象が違ったから、すでに3回観た友だちに「最後変わった?」と聞いてしまったくらい… 。
いつしか依存しあう双方。それが崩れたときの不幸だったり、そして旅立ち。
登場人物であるペットたちは本名ではない名前で呼ばれていた。飼い主が見つかると居場所ができて名前をつけてもらえる。「さすけす」と呼ばれたペットは名前をもらい旅立ちを選んだ。そして、わたしにも名前をつけてほしいと「るしあ」。新しい名前を持つこと、それは人が世に生み出されることだなぁ。
不条理劇だ。最初から差別がある飼い主とペット。可愛がるのでなく、品定めをさせ売りに出すというもの。不条理でブラックな題材なのにそれを感じないことが狙いなのかそうではないのか。棘がなくて、いまいち響かないのは私の問題なのか…悔しい。金曜日にまた観ます。
あらすじ「唐木井折は、社会になじめない若者たちをペットとして富裕層に売りさばいていさいたまネクスト・シアター最終公演『雨花のけもの』初日★★★☆る。ある日、唐木は望月からの依頼でペット候補を品定めする「パドック」を主催する。二人のほかに、中島と高丘が招待されていた。唐木の手元に残っているのは“こがねい”と“まちだ”の2人の若者。しかし、望月の書いた「レシピ(台本)」では、唐木のペットである“さすけす”と中島のペットである“るしあ”が配役されていた。パドックが始まり、望月のレシピを演じるさすけすとるしあ。クライマックスの場面でさすけすの様子が明らかにおかしくなる。唐木は望月を気にして動揺するなか、パドックが中断される。さすけすに起きた異変は、ペットを飼う富豪たちと飼われるペットたちに影響を及ぼし、それぞれの思いが交錯していく……。」
松田慎也(唐木井折)
内田健司(唐木のペット・さすけす)
周本絵梨香(るしあの飼い主・中島)
佐藤蛍(中島のペット・るしあ)
鈴木真之介(ゆんぐの飼い主・高丘)
中西晶(高丘のペット・ゆんぐ)鈴木彰紀(富豪・望月)
續木淳平(ペット候補・こがねい)
阿部輝(ペット候補・まちだ)
髙橋英希(唐木家の世話係・辻森)
手打隆盛(セーブ・スマイル・サークル代表・本庄)
茂手木桜子(訪問者・トウナイ)
竪山隼太(医者・多々良田)
堀源起(声)
前の席のご夫婦の奥様の方がずっと喋っていて、目の前に「ご歓談はお控えください」の大きなプラカードがあるのにずっと無視。旦那様も注意せず。目の前なのに係の方も注意しなかったのが気になった。多分出演者のご両親…
ちなみに今回はJが最前列で、Jはチケット発売がなかったので関係者席でした。