1年半ぶり(前回来たのはコロナでいくつもの公演が中止されはじめた3月頃)の文学座アトリエにて『熱海殺人事件』観劇。最前列通路沿いの席で。
4人芝居です。すごくおもしろかったー。稲葉賀恵さんの演出があんなRockだとは想像もしていなかった。
すごく愛情深い(と思う)通称くわえ煙草の伝兵衛・刑事を熱演する石橋徹郎さんが汗かいてないのも凄い。それも役にぴったりなんだけど、熊谷刑事役の上川路啓志さん(最初誰かわからなかった〜)が汗びっしょりだったから(笑)。煙草を吸わない「くわえ煙草の伝兵衛」石橋さんが大山くんを遠回しに追い詰めていく様が凄い。でも、とにかく楽しい。そして愛しい。1時間50分というのも良い。
婦人警官ハナ子役がベテランの山本郁子さんというのもいいし、容疑者大山金太郎の奥田一平くんの純朴な青年が炙り出されていく様子も良かった。
歌ありダンスあり、OHP(オーバーヘッドプロジェクタ)を使った演出も楽しかった。
上手にいる生演奏のバンドが何度か席を立つのでその度に見てしまう。セリフに伴う一回以外ずっといてもいいのにな〜と思っだけれど、きっとわざとなのでしょう。
「部長刑事木村伝兵衛と富山から赴任してきた新任刑事の熊田、そして婦人警官ハナ子が、熱海で起きた殺人事件の真相を、容疑者大山金太郎を取り調べる中で華麗に改ざんしていく─。 本作は1973年につかこうへい氏が当時25歳の若さで文学座に書き下ろし、翌年に第18回岸田國士戯曲賞を最年少で受賞した不朽の名作。今回は初演版台本を再構築。」
作:つかこうへい
演出:稲葉賀恵
演奏:芳垣安洋、助川太郎
美術:乘峯雅寛 照明:阪口美和 音楽:高良久美子 音響:鏑木知宏 衣裳:原 まさみ 振付:下司尚実(泥棒対策ライト) 舞台監督:加瀬幸恵
9/10(金)18:30開演の回、ライブ映像配信視聴チケット発売中!(見逃し配信有)
植本純米さんのTweet
https://twitter.com/kimono4men/status/1435238468003696643?s=21
「文学座『熱海殺人事件』へ。つかこうへい「で」遊ぶ苦手な感じではなく、つかこうへい「と」遊ぶ純度の高さ。演出稲葉流ごっこ遊びは敬意はあれど呪縛なし。適材適所な役者は流石老舗の層の厚さ。文学座のために書き下ろされたこの作品を48年ぶりに同じアトリエで観るというこれは事件。自分は目撃者。」
私は、つかこうへい作品をそれほど観ていないので「で」とかわからないけれど、「と」だったことはわかります!