仕事納めて、田島亮くんおすすめのドキュメンタリー映画を観にアップリンク吉祥寺へ。
chottokitachosen.ndn-news.co.jp
「熊本県で訪問介護の仕事をしている林恵子、67歳。子どもたちはすでに独立。休日は友人らとカラオケや居酒屋に通い、一見平穏な日常を送っている。しかし恵子には、家族や親しい友人にも語ってこなかった、ある秘密があった。それは実の姉が北朝鮮にいるということ。20歳上の姉、愛子は1960年に在日朝鮮人の夫とともに北朝鮮に渡っていった。渡航後、手紙で伝えられる姉の変貌ぶりに、恵子はやがて落胆し、反発。そして絶縁する。その後、日朝関係は悪化し、互いに音信不通の状態に。58年の歳月が流れていった。そんなある時、姉の消息が知らされる。人生の残り時間が少なくなる中、姉への思いが再び頭をもたげ始めた恵子。「拉致されたらどうするんだ」という子どもたちの反対を押し切り、恵子は訪朝を決意。人生初めての海外旅行が北朝鮮となった。“謎の隣国”で目にする未知の世界。それはその後の恵子の人生をも変えていく…。半世紀以上にわたり、政治や時代に翻弄されてきた家族たちの姿を描く異色のドキュメンタリー作品。」
★北朝鮮帰国事業「半島北部を「地上の楽園」と宣伝し、南部出身者も含めて約９万３千人もの人々を移住させた、日朝両政府主導の大大的な戦後処理だ。その中には朝鮮籍の男性と結婚した日本人妻も含まれ、政府間の駆け引きの間で存在すら忘れられようとしていた。」
監督：島田 陽磨 撮影：利満 正三 編集：前嶌 健治
2018年、北朝鮮帰国者の日本人妻である20歳上の姉・愛子さんと58年ぶりに再会した妹・恵子さん。涙の再会… でもすぐに姉妹の会話になっていたのは、やっぱり血なんだろうなぁ。
会わなかった長い期間どんな苦労をしたか恵子さんは聞かないし愛子さんも話さなかったけれど、20歳の頃から美人だと評判だった面影が見られる愛子さんの顔の深い皺には、愛する人と北朝鮮に渡り３年で戻れると思っていたのに、いつ命を落とすか分からない過酷な生活を強いられ、その地で生きていくと決めざるを得なかった覚悟が強く刻まれ、それは強く美しかった。
生活はご苦労なさったと思いますが介護の仕事をされている妹の恵子さんの明るい人柄がとても素敵でした。
姉と同じく北朝鮮に渡った愛子さんのご友人たちを姉と同じようにご家族に会わせてあげたいと動いた恵子さんでしたが、彼女らの日本にいる身内から「会いたいと思ったことはないから」「自業自得」と拒絶されてしまう。でもその気持ちもわかると恵子さん… 当事者にとっては彼女らは日本を、家族を、捨てた存在だったのだから。助けてほしくても一方通行になってしまったんだろうなぁ。恵子さんと一緒に愛子さんに会いに行った息子さんが愛子さんと同じ境遇の方の助けになればと立ち上げたSNSに寄せられた「自己責任」という言葉が胸に刺さる。国家に翻弄され、でも必死で生きてきた人にかける言葉が悲しい…知らない人たちからの刃。
帰りに「パンの田島」でコーヒーブレイク。日直たじまです。
