やっぱり映画館でもう一回観ておきたくて、シネ・リーブルで『マクベス/The Tragedy of Macbeth』。
2回目だったので、字幕に気を取られることなく美しい映像、俳優たちの素晴らしい演技をたっぷり楽しんで来ました。
そして、やっぱりキャサリン・ハンターの魔女が凄い凄いかっこいい😳、力がいい具合に抜けているデンゼル・ワシントンいいわぁ。となったのでした。
『マクベス/The Tragedy of Macbeth』★★★★★
A24『マクベス』はコーエン監督流の緊迫スリラー、シェイクスピア映画の新たなスタンダードとなるか【レビュー】稲垣貴俊さん
「ジョエル・コーエン版『マクベス』における3人目のキーパーソンは、3人の魔女をひとりで演じたキャサリン・ハンターだ。英国演劇界の重鎮であり、日本の舞台ファンにも野田秀樹作品などで知られる名優である。ジョエルは本作の魔女をカラスとして描いており、これが作品の不気味な性質を際立たせているが、キャサリンは声と身体のパフォーマンスでその役目を文字通り体現。人間の異様な肉体が、マクベスが最初に対峙する未知と恐怖を象徴し、本作のトーンを決定づけた。ちなみにキャサリンはまったく別の役どころでも登場し、魔女とは異なる存在感を発揮している。」
「最後に触れておきたいのが、ジョエルが『マクベス』を映画化するにあたり、あえて演劇的な、舞台と映画の境目を曖昧にする手法を採ったことだ。撮影と演出の鍵を握ったのは、『バスターのバラード』(2018)などのコーエン兄弟作品で撮影監督を務めてきたブリュノ・デルボネルと、本作でジョエルと初タッグを組んだ美術監督のステファン・デシャントである。
もともと『マクベス』の物語は11世紀のスコットランドが舞台だが、本作の美術は当時を再現するのではなく、むしろ高い抽象性と記号性をそなえた“どこでもない空間”として造られている。城や戦場、森など複数のセットが登場するが、それらは現代でも昔でもなく、作品世界やマクベス夫婦の心象風景を浮かび上がらせる場所として現れるのだ。ジャスティン・カーゼル監督版『マクベス』(2015)のようにディテールを突き詰めていくケースもあるが、ジョエルは逆のやり方で『マクベス』に挑んでいる。」