2019年の都々逸までしか載せていなかったので
2020年の都々逸
１月「加」「覗」「絵」「願」「正月」★『絵』の選者をつとめました。
「加」「 知るたび増えてく共通点に好きが溢れる加速する」 ←（客）
「加」「今日はどんな日何できたかな育児日記にまた１個」 ←（客）
【新春吟】「除夜の鐘の音透き通る夜心も体も軽くなる」
２月「売」「歌」「動」「親」「鼠」
「歌」「昭和歌謡がふたりを繋ぐジュリーを歌って踊る夜」 ←（佳）
「親」「家庭訪問いつもと違うつんと澄ました家とママ」 ←（佳）
「鼠」「大寒桜が鼠の塀を飛び越え近づく春の音」 ←（秀）
「鼠」「白いうなじの銀鼠色の襟にやさしく春の雪」←（客）
４月「低」「老」「晴」「中」「傘」
「晴」「想えば気持ちを晴らしてくれる瞼にあなたという故郷」 ←（佳）
「傘」「すっとあなたが傘傾けた青葉薫った小糠雨」 ←（佳）
５月「粋」「話」「楽」「信」「夫」
「粋」「胸のすくよな啖呵を切った香具師のことばに粋がある」 ←（秀）
「話」「受話器の向こうに小さな気配つめたく落ちてく雨の音」 ←（佳）
「楽」「日向の匂いの猫ひざにのせ楽しい予定を考える」 ←（佳）
「夫」「散歩途中の花屋の春を夫と一緒に連れ帰る」←（客）
６月「労」「店」「風」「論」「湯」
「労」「 現場の片隅小さな花が労う黄色いヘルメット」 ←（秀）
「店」「 ひとりごちてるメロンのそばで合唱しているさくらんぼ 」 ←（佳）
「店」「 密です密です小さな店に蔓延るソーシャルディスタンス」 ←（佳）
「風」「 風の口笛ビル駆け抜けて夏のカーテン開けにくる」 ←（客）
「湯」「 湯切りする音届いた耳にぶわっと広がる蕎麦の味」 ←（秀）
９月「隠」「丸」「帰」「光」「番」
「隠」「 つるべ落としの夕日が落ちてお月さまとのかくれんぼ ←（佳）
「丸」「 ぎこちない手で丸めて焼いた 夫の大きなハンバーグ ←（佳）
「帰」「 成田に着いたと息子の電話今夜の食卓五つ星 ←（佳）
「光」「 仮縫いすませたドレスの白さ光る笑顔はぼくのもの ←（客）
「番」「 宙を舞ってたブーケをキャッチついに私の番かしら ←（秀）
10月「頭」「洋」「伸」「窓」「情」
「頭」「 ぎっしり餡こにほっぺが緩む鯛焼き私は頭から」 ←（佳）
「窓」「 窓からふわっと金木犀の香りまとって二度眠る」 ←（佳）
「隠」「 学者みたいな表情浮かべ開く子どもの好奇心」 ←（三才の「天」いただきました〜）
11月全国大会「味」「町」「役」「度」「利」
【祝吟】「湯島の白梅のる秋風に膨らみ出してる夢未来」
「味」「 家族がシャキシャキ噛んでる音でたちまち美味しさアップする」 ←（佳）
「味」「 山から紅葉海から味覚豊かに五感を満たす秋」 ←（佳）
「町」「 過ぎゆく時間に消された町の記憶は匂いとなりのぞく」 ←（佳）
「役」「 ごっこ遊びのわたしの役を決定するのはいつも姉」 ←（佳）
「役」「 お役目終わった弁当箱が出番を待ってるような朝」 ←（客）
「役」「 妻の図星にまた口ごもる夫は役者になれません」 ←（秀）
