ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

『マーキュリー・ファー Mercury Fur』★★★★★

お腹が鳴らないよにパンをお腹に入れて世田谷パブリックシアターへ。『マーキュリー・ファー Mercury Fur』O列上手ブロックにて。


f:id:Magnoliarida:20220202082720j:image

f:id:Magnoliarida:20220202082724j:image

f:id:Magnoliarida:20220202082740j:image

f:id:Magnoliarida:20220202082737j:image

今日2月1日はエリオット役の吉沢亮くんの28歳のお誕生日。おめでとうございます。そんな記念日にありがとう。吉沢亮くんは2017年の百鬼オペラ「羅生門」が良かった上に「晴天を衝け」で磨きがかかっていたので楽しみでした。うん、とても良かった。ダレン役の北村匠海くん(24歳)は初舞台だとか(そんな風に見えなかった)。声が高いのねって第一声で思ったけれど耳触りがいいし、幼い(理由がある)愛らしくいじらしい弟にぴったりで、とても良かった。そしてラストの北村匠海ダレンが凄かった。

パーティゲスト以外全員愛しています。生きてほしい(かわいそうなナズ(T . T))生きてほしい… 生きてほしい(T ^ T)

「荒れ果てた世界で、生を繋ぐために懸命に支え合う兄弟。その愛情を呑み込むほどに、この「マーキュリー・ファー」の世界は厳しいです。」と白井晃さん。

ストーリー「ボロボロの部屋に兄弟がやって来る。パーティの準備にかかるが、そこに1人の男が突然顔を出し、「バタフライ」が欲しいので手伝うと言う。しばらくするとローラと呼ばれる美しい人物が現れる。そしてもう1人、このパーティの首謀者らしき男と謎の婦人がやって来る。彼らはパーティのためにそれぞれの役割を、異常なほどの饒舌な会話を交わしながら行う。やがて、パーティゲストがやってきて、パーティプレゼントが用意されるのだが、パーティプレゼントの異変により、パーティは思わぬ展開に…

2015年にトラムで観た初演は紛争地域に多くいるだろう兄弟の物語に大きな衝撃を受け、すごく悲しくなったのをよく覚えている。うろ覚えながらストーリーを知っていたこともあるからか、今回のマーキュリー・ファーは優しさが全面に出ていました。

クライアントであるパーティゲスト、パーティプレゼントという言葉(役)がでてくる。プレゼントは子供でなくてはならない・・それが行われる部屋の中は見せず、音・声のみで、サディスティックなパーティゲストによる拷問と殺人であることがわかる。生きるため、愛する人を救うためといえ、あってはならないパー​​ティー。彼らをそうさせたのは大人がはじめた戦争。

ですが、幸せになりたいとか考えることさえ思いつかない優しくない世界の中で、お互い生きているか心臓の音を聞き合って、今日を生きようとしている彼ら(エリオット、ダレン、スピンクス、ローラ、ナズ、そして姫)の話。

ギリシア神話に出てくるアテネの王子テセウスミノタウロス(牛頭人身の怪物)を倒す話が出てくるのですが、「頭が牛で体が人の姿をした牛」か「頭が牛で体が人の姿をした人間」か・・人間だったら撃てないとダレン。

ナズ小日向星一くんのTwitterよりミノタウロス https://twitter.com/seiiiiiiiichi/status/1481963983066509316?s=21

f:id:Magnoliarida:20220210184239j:image

♫ドレミの歌の記憶…優しい時間がそこにありました… その向こう側に、もう戻れない過去の優しい時間が。そのまた向こう側に、いる優しい時間を奪われた紛争地域の子どもたちに思いを馳せることに。

兄弟の会話、兄弟が誰かに話すことで、エリオットが右脚を引きずっている理由、なぜスピンクスと売人の仕事をしているのか、ローラや姫と呼ばれる女性との関係、ひいてはダレンの幼さの理由もわかってくる。

加治将樹さんのスピンクスは優しいよね。生きていくために、彼らを救うために、だったから。

「ものすごく愛してる」

絶望したエリオットを抱きしめるダレンがとても良い。弟を救ってきた兄、最後に兄を救うのは弟… だったけれど、結末は…

Mercuryは水星。星が見つかることを望んだ美しい兄弟。

setagaya-pt.jp

本作を彼(フィリップ・リドリーPhilip Ridley)が書いた背景(2005年)には、アメリカが彼の母国イギリスらと共闘したイラク戦争への強い憤りがあるのです。この作品を書くことは、一部の権力者により実行された無意味な戦争に対するクリエイターとしてのフィリップの抗議であり、闘いだったのでしょう」と白井さん(初演より)


f:id:Magnoliarida:20220202082855j:image

f:id:Magnoliarida:20220202082857j:image

【作】 フィリップ・リドリー【演出】 白井晃【翻訳】 小宮山智津子

【出演】エリオット:吉沢亮 ダレン:北村匠海 スピンクス:加治将樹 ローラ:宮崎秋人
ナズ:小日向星一 パーティプレゼント:山﨑光 パーティゲスト:水橋研二 お姫さま:大空ゆうひ

【美術】 松井るみ【照明】 齋藤茂男【音響】 井上正弘【衣裳】 太田雅公【ヘアメイク】 佐藤裕子【演出助手】 豊田めぐみ【舞台監督】 田中直明【宣伝美術】永瀬祐一【宣伝写真】設楽光徳【宣伝スタイリスト】髙木阿友子【宣伝ヘアメイク】佐藤裕子

白井晃さん「7年前にこの作品を上演したときに、現実の世界が地続きになっているような恐ろしい感覚がありました。そして、今もなおその感触は間違いなく続いています」といい、「劣悪な環境の中で必死に生きていこうとする兄弟の姿は、この時勢の中、見えない恐怖と闘いながら必死に役を生き、演じ続ける俳優たちの姿と重なり胸を打つものがあります。新たな俳優陣との作業は、まるで別の作品を作っているような刺激に満ちたものでした。明日からも彼らが繰り広げる世界が劇場の中で光を放ち続けられることを心から願っています

2015年のこの日ソワレに他の舞台も観たから、Tweetした感想しか書いていない初演『マーキュリー・ファー Mercury Fur』★★★★★ 

magnoliarida.hatenablog.com

NYLON SUPERという雑誌に載るらしいおめかししたエリオットとダレン。

f:id:Magnoliarida:20220203150949j:image

『マーキュリー・ファー Mercury Fur』舞台写真 撮影:細野晋司さん

f:id:Magnoliarida:20220203233553j:image
f:id:Magnoliarida:20220203233550j:image
f:id:Magnoliarida:20220203233613j:image
f:id:Magnoliarida:20220203233547j:image
f:id:Magnoliarida:20220203233654j:image