KAAT大スタジオにて、る・ひまわりの『象』千秋楽観劇。Bブロック3列目。
主演の安西慎太郎ちゃんの負傷により6日の初日が15日となり5公演のみの上演になってしまったけれど無事千秋楽を迎えることができてよかった。
あらすじ「廃業することとなった「びっくりサーカス・ノア」。解団の日に集った団員は、今後の生活への不安や不満を口にしながら後片付けをしている。殺伐とした空気を払拭するように、不遇の過去を持つ見習いクラウンがパフォーマンスを披露することになるのだが、サーカス団所有の象が業者に引き取られていないことが判明する。金を持ち逃げしたオーナーとは連絡がつかず、残された団員で象の処遇を話し合うのだが…。」
「主人公のクラウン見習い・松山悠太を演じるのは、安西慎太郎。幼少期から虐待を受けて養護施設で育ち、常に他人の顔色を窺い、愛想笑いや自分に嘘をつく癖があるという内向的な役に挑戦した。」
やっぱり安西慎太郎ちゃんの演技、大好き。すごく好き。「松山は怪我をしている」設定だったのは、負傷後に変えたのかな?足を引きずっていたのでプロレスのリングのような高さのあるステージから度々降りるとき階段気をつけて〜怪我悪化させないようにね、と思ってしまった。
辛い内容ですが素晴らしかったです。キャスト全員良かった。
冒頭で彼の生い立ちがわかるので、サーカスの象を射殺するよう仕向けられる不条理(言葉の暴力)に耐えようとする主人公の松山悠太がとても不安定で悲しい。象に自分を重ねているようで、その危うげな松山を演じた安西慎太郎ちゃんが素晴らしかったです。解団の日、叶わなかったクラウン(道化師)を皆の前で演じたくて白塗りにした松山が美しすぎて儚い。←なぜか慎太郎ちゃんに重なる…。
クラウンとしてのラストダンス、象だ… 。心が泣いているような美しさでした。
団員を「ファミリー」と何かにつけて言うリングマスター兼団長(大堀こういちら)の本性が炙り出されていく。松山を息子のように思っていたのはで、平気で切り捨てるぜったい上司にしたくないタイプだ。
観客からしたらすごく愛おしくて守ってあげたい松山くんに、事務・裏方の最まりちゃん(鎌滝恵利)だけでも寄り添ってほしかったなぁ(T . T) 希望のないラストだと思いました。
サーカス団なので360度客席に囲まれたセンターステージを作ったのは正解だと思いますが、終盤で雨の音が聞こえてくると俳優たちの声が聞こえなくて残念でした。席によるかもしれませんが。
慎太郎ちゃん、ジャグリング🤹♀️上手かった〜。
脚本:齋藤孝
演出:小林且弥
出演:安西慎太郎、眞嶋秀斗(菅原健さんから変更)、鎌滝恵利、伊藤裕一、伊藤修子、木ノ本嶺浩、大堀こういち
音楽:大嶋吾郎 美術:乘峯雅寛 照明:高山晴彦 音響効果:天野高志 演出助手:小林賢祐 舞台監督:岩戸堅一 制作:高橋郁未 プロデューサー:千葉裕子 エグゼクティブプロデューサー:林三代子 企画・製作:る・ひまわり
初演出の小林且弥さん、『僕のリヴァ・る』で慎太郎ちゃん演じる盲目のジェロニモの兄・カルロを演じた方だった!あの舞台の映像はないのかな〜見たいな。
る・ひまわり『僕のリヴァ・る』★★★★★