ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

『ライカムで待っとく』に一票

【特集1】「受賞予想対談&全作品レビュー」

 第67回岸田國士戯曲賞を大特集!第一弾として、批評家・山﨑健太さんと演劇ジャーナリスト・田中伸子さんによる「受賞予想対談&全作品レビュー」をアップいたしました。ぜひご一読くださいませ。

www.engekisaikyoron.net

山﨑「私は兼島拓也さんの『ライカムで待っとく』を本命にあげます。ダントツによかった。好みで言うと次は『パチンコ(上)』なんですけど、それが戯曲としての面白さなのかと問われるとちょっと困ってしまうところがあります。松村翔子さんの『渇求』もよかったです。」
田中「私は同じく『ライカムで待っとく』と、加藤拓也さんの『ドードーが落下する』、中島梓織さんの『薬をもらいにいく薬』がよかったですね。『ライカムで待っとく』と『ドードーが落下する』は、できれば両方受賞してほしいぐらい。

私の昨年Best1の戯曲『ライカムで待っとく』に私からの一票も投じたい。『ドードーが落下する』も素晴らしいけれど、苦しくて悲しくて…。そう、これです。胸が締め付けられる…

田中「夏目の姿を追っていくだけで、生きるとはこういうことか……と胸が締め付けられるような思いがしました。それぐらい、いいと思いました。

『ライカム〜』は

山﨑「書くことが歴史をつくる、あるいは反復するというテーマも作品に組み込まれているので、そこで提出された問いは戯曲を書いた兼島さん自身にも跳ね返ってくる。問いを観客に手渡しながら、自身も引き受ける誠実さのようなんものを感じました。」

山﨑「一口に沖縄といっても、世代によって米軍や本土に対する感覚はかなり違っていると聞きます。今の沖縄の若者の感覚が戯曲に反映されていることも、現実の単純化という罠を避けるのに有効に働いていると思います。」
「なにより終わり方にやられました。この作品は、フィクションが歴史的な出来事を描くときに、単なるお話で終わらせてしまうことも批判している。それをどう終わらせるんだろうと思っていたら、いや、そうくるか、と。」
田中「あと、「沖縄は日本のバックヤード」 だという言葉が印象的でした。あのせりふはこれからもずっと覚えているんじゃないかなと思う。」
山﨑「褒めるところしかないと、あとは読んでくださいと言うしかないですね(笑)。」