INCUBUSの余韻が私の中の多くを占めているけれど、、
小説の中でいちばん惹かれたクシシュトフ・キェシロフスキ監督の
DEKALOGデカローグ第6話『ある愛に関する物語』のDVDを観た。
<あなたは姦淫してはならない> 撮影:ヴィトルト・アダメク
ズビグニエフ・プレイスネルの音楽が沁みる。撮影はヴィトルド・アダメク。カメラワークがもう映画的(私が見ているのはテレビドラマ版)
STORY「友人の母親と暮らす19歳の孤児トメクは、地元の郵便局に勤めている。彼は向かいに住む30代の魅力的な女性マグダの生活を日々望遠鏡で覗き見ていた。マグダと鉢合わせしたトメクは、彼女に愛を告白するが、自分に何を求めているのかとマグダに問われてもトメクは答えられない。その後デートをした二人、マグダはトメクを部屋に招き入れるが......。」(新国立劇場の「デカローグ」より)
ドラマ版凄かった〜。歪んだ純愛。〈あること〉を見せず想像させたり、セリフがあまりないのにそこにいる人たち(トメク、マグダ、戦地にいる友人の母)の孤独、満たされていない、不器用さが、痛く、愛しい。血の繋がりのない関係。絵、ベッド、電話、テーブルなどマグダの部屋とドアの外の赤、赤と黒のコントラスト、夜の青と牛乳の白が強烈に残る。
トメクと十字路ですれ違う天使。
覗きがバレて、あることがトメクに起こり友人のママがマグダを覗く(実はトメクにマグダの存在を教えたのは戦地に行った友人)、終盤には覗きが逆転してマグダがトメクを覗く。「視線」が変わる構造がおもしろい。
これまで観た4作品もそうだけど終わった時の余韻がもう…すごい。
印象的なシーン
もう一度すれ違う。
なんていうラストシーンなの(多分このラストしかない)… マグダ役のグラジナ・シャポオフスカの演技が素晴らしい。
6は上村さんの演出。どんな演劇になるから楽しみ。映画化された『愛に関する短いフィルム』も観たいな〜。