原作:吉田修一 脚本:蓬莱竜太 演出:行定勲
思っていたよりも(←失礼ですよね)おもしろかったです。台詞の違い、ラストの違い(追加?)はあるものの、原作を読んだとき、映画を観たときと同様のうすら寒さで身動きとれなくなり、金縛りにあったような感覚で気持ちが重くなり、終ってすぐに拍手する気持ちに切り替わらなかったので、拍手しにくかったです(金縛りにあったことないけれどね)。
美術は(私の好きな)二村周作さん。本当のマンションじゃないかと思わせるセットは凄かったです。ただ、あんなに古びたマンションのイメージはなかったなぁ。映画会社勤務で几帳面な直輝は、もう少しきれいなマンションで同棲していたと、思う。そのセットには緊張感が漂っており、雰囲気は物語にピッタリでしたが・・。
と思い、帰宅して原作本をパラパラ・・ 私の思い違いかも。ベランダの下に旧甲州街道が走っているその部屋は「建て付けの悪いガラス戸」があり、「非常に趣味の悪い薄紫色の合成革ソファとガラステーブルが置いてある(舞台上は茶色のソファ)」。決しておしゃれ男子ではないわけでした。
あと・・舞台版がいちばん親切な感じがしました。ところどころで直輝の苛立ちが見て取れたので。でも、それはストーリーがわかって観ていたからなのかなぁ・・ そこがなんだかねぇ・・
見えないんじゃなくて、見ない。誰かに何かを求めず自ら闇を選び闇の世界で毎日同じことを繰り返す彼ら。怖すぎる・・
良介を演じた山本裕典くんは『じゃじゃ馬馴らし』、直輝を演じた福士誠治くんは『RENT』以来。他の方ははじめてでした。福士誠治くんって器用だなぁ〜 福士くん、私が思う直輝にピッタリ。よかったです。大垣内琴美を演じた本仮屋ユイカちゃんも、よかったな(最後、彼女の薄ら寒さが背筋が凍りました)。
映画版の直輝・竜っちゃんから〜。隣りにキムタクからのお花があったよ。『パレード』の映画化が決まってから原作を読んだとき、まだキャストの役柄を知らなくて、読みながら、本のなかの直輝を小出くん、良介を竜っちゃんだとイメージして読んでいた私です。
映画版の感想 http://d.hatena.ne.jp/Magnoliarida/20100301
焼き鳥屋さんのおでん。しみていて美味しいよ。
セブンイレブンのむき栗、気に入っています。