『水の戯れ』劇評(木村光則さん)人間の不安、際どく表現『他人の心は分からない。自分の本当の気持ちすら分からず、本心と違う選択をすることもしばしばである。が、人はそれを知りたいと願う。なぜなら理解できないことは不安だからだ。岩松了の戯曲は、常にその不確かなものを舞台上にさらけ出していく。』『チェーホフ「ワーニャ伯父さん」をモチーフにした作品。ワーニャをはじめ多くの男たちをひきつけるヒロイン・エレーナのように明子も男たち(女も?)を引きつける。』『結婚前に思い描いていた明子と、実際の明子が違うことに戸惑い、身近になるほど本当の気持ちがわからなくなるのだ。実は13年の間に築いてきた偶像が妨害しているのだが、そんな自分の心には気付かない』