シアタートラムへ。
てがみ座は、『空のハモニカ』わたしがみすゞだった頃のこと、『地を渡る舟』−1945/アチック・ミューゼアムと記述者たち−、そして今回。どれも好き。美術は今回がいちばん好きだな。トラムの奥行きがあるからかな。誰だろう・・今回も風琴工房の『Archives of Leviathan』『国語の時間』と同じ “杉山至+鴉屋” さん。やっぱり。
演出:扇田 拓也(ヒンドゥー五千回)脚本:長田 育恵(てがみ座)美術:杉山至+鴉屋 照明:木藤歩 http://tegamiza.net/take14/
汽水域とは、海水と淡水が混じりあっている水域。
『ニホンウナギは日本から3000km先、マリアナ諸島西方で生まれる。潮流を漂いながら、フィリピン沖で黒潮に乗り、遙かな日本の河川を目指す。フィリピンの河口でウナギの密漁をしていた、かつての少年は自らのルーツをもとめて、日本へ向かう潮流に乗る。過去を問い直すことの根幹にはアイデンティティの探求が必ず含まれている。今の自分は何者なのか? ――汽水域からアジアを見渡す、ある喪失の物語。』
心に沁みる物語。演出もおもしろく、美術と照明がとても美しく、沁みた。ほんとうに空に、そして水面に映る星が見えた気がした。とにかく沁みた・・・。長田さんが当日資料に書いていらした「川の下流域を舞台に、潮と淡水が混じり合うように、心の善と悪、喜びや悲しみ、憎しみや幸せが混じり合う世界」、そういう作品。
E列。
『生きると生きないのあいだ』の笠木 誠さんも。