ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

シアターコクーン・オンレパートリー20『るつぼ/The Crucible』★★★★ 


今日は、F列センターブロック。
シアターコクーンにてジョナサン・マンビィ演出『るつぼ』観劇。やっぱり新国立で上演されたのと比べてしまう。あのとき背筋が凍った衝撃は忘れられないから。
美術、照明、アビゲイル少女軍団の狂気に満ちた振りつけ*(エリザベートゾフィー軍団を思い出した)が効いていた。音楽もおもしろかった。アビゲイルたちが出てくるときの音楽がRock。
*少女たちの踊りのイメージは「ヒステリー」と「セクシャリティ」だという。
 
あの時も思ったけれど、個人は弱くて集団になりたがるのは、普遍的なものなんだなぁ。陰湿な「いじめ」って何故こうもなくならないのでしょうか。「いじめ」をする側には想像力が乏しいとしか思えないのだけれど、見えない悪魔が見えるみたいに麻痺していくのでしょうか。

るつぼの美術、すごく好きです〜。「100万回生きたねこ」を思い出したのは壁に椅子があったからかな。最初だけね。光と影の陰影が私の心にも影を落としてくる、どの場面を切り取っても印象派の絵画のように美しかった。場面転換に壁が動いて少女たちが出てくる光景は怖かったわ。
 
副総督の小野武彦さんが素晴らしいの!その副総督はじめ、裁く側の人たちの言動が、1692年当時のセイラム(当時の清教徒が持っていた価値観)に連れて行ってくれました。

前に観た『るつぼ』で、少女たちが「法廷の聖女」として扱われていたことを知っていたけれど、今日はそれが少し足りなかったと思うのは私だけかな。
 
黒木華ちゃんは和風の顔立ちのせいかアビゲイルのイメージと少し違って見えてしまった(鈴木杏ちゃんのアビゲイルに、抑圧された世界に刃向かっていく勇気ある少女の面と性に無邪気な少女の面を感じていたからかも。杏ちゃんは、わかりやすいくらい少女軍団のリーダーだった)。堤真一さん演じるプロクターが華ちゃんのアビゲイルに翻弄されているように見えなかったし・・。メアリー・ウォレンを演じた岸井ゆきのちゃんもよかったけれど(深谷美歩ちゃんのメアリー・ウォレンが私から抜けてない)。これって多分、新国立劇場で観たものから自分を切り離せないからだと思うけれど(←良くないことだよね)。
 
ヘイル牧師の溝端淳平くん、正義感の強い若い牧師が想像よりハマってた。もっと野心的でもいいかもだけど、よかった。ドラマでもこういう役を観てみたいかも〜(あまりドラマを見ていないので、今まであったか、わからないけれど)。
久しぶりの西山聖了くんは看守のホプキンズ。かっこよかったわ〜。
 
原作:アーサー・ミラー  翻訳:広田敦郎
演出:ジョナサン・マンビィ  美術・衣裳:マイク・ブリットン

ストーリー「17世紀、マサチューセッツ州セイラム。ある晩、戒律で禁じられた魔術的な「踊り」を踊る少女たちが森の中で目撃される。その中の一人は原因不明の昏睡状態に。これは魔法の力か? 悪魔の呪いか?セイラムを不穏な噂が駆け巡るが、少女アビゲイル(黒木 華)は「ただ踊っていただけ」と主張する。彼女の真の目的は農夫プロクター(堤 真一)の妻エリザベス(松雪泰子)を呪い殺すことにあった。雇い人だったアビゲイルと一夜の過ちを犯したプロクターは罪の意識に苛まれ、以後、彼女を拒絶していたのだ。プロクターに執着するアビゲイルは、敬虔なエリザベスを〈魔女〉として告発。アビゲイルに煽られ、周囲の少女たちも悪魔に取り憑かれたように次々と〈魔女〉を告発していく。大人たちの欲と思惑もからみ合い、魔女裁判は告発合戦のごとく異様な様相を呈していった。悪魔祓いのためセイラムに呼ばれた牧師ヘイル(溝端淳平)は、自身が信じる正義のありかが揺らぎ始め─。」