夜は初めてのタカハ劇団の『おわたり』観劇。怖そうだからやめようと本気で思ったけれどアンカル観て気持ちが高揚していたのと夕食食べていたら当日券の人に譲りにいく時間がなくなり覚悟を決めて新宿シアタートップスへ行ったわけです。行ってよかった。
鎮魂。想像していた幽霊もののホラーと違い、時代も状況も身近でなく金田一耕助か刀城言耶シリーズのミステリーホラー感があったので大丈夫でした。そういうドラマだったら西尾友樹さん演じる民俗学者の蝦草紅雄が謎をといていくのだけれど、このドラマの主人公は芥川賞作家の四方田稔梨(早織)。
阿部刹那と何役か(誰かの死んだ大切な誰かが憑依する)言葉も少なく難しい役を演じている田中亨くんだけど透明感が役にピッタリ。
民俗学者の助手の斑鳩亞紀(宇野愛海)の存在もドラマ的あるあるだったな。好きだけど。
オルゴールは最初に人形見えちゃうとぜったいそれがああなるって思っちゃうし、… 首絞めるほど?とか色々ある。
ストーリーは怖くなかったけれど音響効果で臨場感すごくて何度かビクッと…。
複数の切なさが詰まったストーリーだったので怖いより悲しさの方が大きかったので、ホラーってそういうものかも…悲しみの連鎖から生まれるのかも。とホラーをほぼ見たことないので思ったわけです。
でもなぜ稔梨の恋人は死を選んだのだろう?
あらすじ「その夜は、 外を見てはいけない 人形を飾ってはいけない
背後から呼ぶ声に、ふりかえってはいけない
ある日突然、死んだ友人の幻影を見るようになった小説家、稔梨。彼女は友人の民俗学者と共に、海沿いの小さな集落に住む霊能力者のもとを訪れる。
しかし彼女が尋ねたとき、集落は年に一度の祭『おわたり』の準備に大わらわだった。『おわたり』とは、その年に海で死んだ者たちの魂がいっせいに黄泉の国へと渡ること。死者と生者が混在するひと夜。 海は闇に溶け出し、人の秘密があふれ出す。」
「海で死んだ者たちの魂が黄泉の国へとわたる日にその地に訪れた来訪者は、亡き友人の霊が見えるようになった小説家の稔梨(早織)と彼女と学生時代からの仲である民俗学者の紅雄(西尾友樹)とその助手の亞紀(宇野愛海)。三人は司祭を務める霊能者・翡翠(かんのひとみ)の孫である刹那(田中亨)と出会うのであるが、彼にはもう一つの顔があった。その出会いがもたらす運命は果たして……。」
脚本・演出:高羽 彩
出演:早織 西尾友樹(劇団チョコレートケーキ)田中亨 宇野愛海 鈴政ゲン 土屋佑壱 神農直隆 猪俣三四郎(ナイロン100℃)かんのひとみ(劇団道学先生)
舞台監督:藤田有紀彦 舞台美術:稲田美智子 照明:小林愛子(Fantasista?ish.) 音響:田中亮大(Paddy Field) 衣裳:三田村帆乃香(藤衣裳) 演出助手:和田沙緒理 字幕操作:市原麻帆 宣伝美術:羽尾万里子 宣伝写真:金山フヒト 宣伝ヘアメイク:小林雄美 鶴永チヒロ
(撮影:塚田史香さん)
【追記】「アニメーターの 加藤寛崇(@piromegane)さんが『おわたり』観劇後にイラストを描いてくださいました!」https://twitter.com/takaha_gekidan/status/1676408991461838848?s=46
刹那くんそっくり。
加藤寛崇さん https://twitter.com/piromegane/status/1676422439084126209?s=46
刹那は、サンスクリット語「kṣaṇa」の音写で、漢訳は「念」という。https://gogen-yurai.jp/setsuna/