『ダムライフ』(84分・カラー)「狂気と失笑と悲しみのダム、決壊す」『虐げられた究極のイエスマンの暴走が止まらない! 人の心を逆撫でするハネケ的(?)アプローチが賛否を呼ぶ問題作。』
とくお組の北川仁くんの作品です。シュールだけど、思っていたほどエグくもなく(かなり怖いものを想像していたので)、おもしろかったです。舞台挨拶でご本人も言っていたけれど、大きなスクリーンだとCGがチープ(笑)←そのダム決壊のところは笑っちゃったけれど、言葉のとらえ違いからどんどん悪化していく状況をテンポよくホラーにしてありました。斬新な脚本で、なんとなくヒッチコック的面白さのテイストも感じましたし、けっこう楽しかったです。主演の「こたに」君の怪演はすごかったわぁ〜。
映画の中で一度も名前を呼ばれない「よしかわ」役の鬼っちくんですが、いじめっ子の嫌な奴を楽しそうに演じていました。映画もいいね。今日は席が斜め後ろでした(笑)。
『TAITO』(70分・カラー)「同僚の自殺で炙り出される内奥」『類型的な正義と悪の境界で漂うだけに終わらず、本物の邪悪と醜悪を見逃すな! その正義は『善』なのか?『悪』はどこだ?』
こちらも俳優さんである緑朗さんという方の作品。なかなか面白かったです。でも、狙いだろうけれど、映像のほとんどがアップだったのでちょっと疲れました。ご自分の経験(勤めていた会社で、同僚が亡くなったというのに翌日は何もなかったかのように社内が普通だったことに違和感)をもとに作られた作品だそうです。主演も務めた緑朗さんが素晴らしかったです。
なんかね・・2作品ともキーワードは【言葉】です。切り口は対照的でした。『ダムライフ』より『TAITO』のほうがリアルなので精神的に怖いです。 言いたいことは直接言いましょうね。手遅れになならいように・・・ということで。