ピンぼけしちゃったけれど、公演時間は14:00〜15:35。
来週だけの予定だったのですが、早く観たくて、今日は中2階の立ち見席でした。途中で前の席のおじさまが前のめりになることをのぞけば、なかなか観やすい立ち見席でした。
ロッカーの向こうから舞い上がる犬の毛、床に落ちた真っ白な犬の毛、中2階から見るとそれは「永遠の海」から寄せる白い波浪のようで、そのうねりがとてもきれいでした。
新宿地下街のコインロッカー前というより近未来的な美術。その吹きだまりがどこかSF的。ロッカーの向こう側の世界にはなにがあるんだろう。アングラ芝居をよく知らない私でも「もっと毒があっても」と言われていたのがなんとなくわかりました。生々しさが足りないのかしら・・・でも、魂剥き出しの宮沢りえちゃんはアングラ感たっぷりに思えました。さっぱりわからなかったのですが(笑)美しい世界に圧倒され、唐さんの溢れる言葉遊びに溺れ夢見心地になっていました。ちゃんとわかりたいので、次の観劇までにパンフレットを読みます。澁澤龍彦の『犬狼都市(キュノポリス)』を読む余裕はないかぁ〜。
作:唐十郎 演出:蜷川幸雄 以下にあらすじ http://www.ktv.jp/event/modoken/
『新宿―。 コインロッカーの前で、盲人の影 破里夫(古田新太)は“不服従”の伝説の盲導犬・ファキイルを呼んでいる。婦人警官に補導されかかっていたフーテン少年(小出恵介)に出会い、自分の代わりにファキイルを探してくれるように依頼する。衝突しながらも次第に、奇妙な絆を結ぶかの二人。
そこへ、あかずのロッカーを開けようとする女、奥尻銀杏(宮沢りえ)が現れる。鍵を持つ夫は南国で現地の女・トハに殺害された。ロッカーの中には、銀杏の初恋の人・タダハル(小久保寿人)の手紙が入っているのだ。銀杏は昔の夢が忘れられず、毎夕、ラジオに思い出の曲をリクエストしている。流れる<カナダの夕陽>。
盲導犬学校の教師になるべく研修中のタダハルが現れ、再会を果たす二人。そして、盲導犬学校の先生(木場勝己)はいつしか、銀杏の亡夫/男として現れ、銀杏に犬の胴輪をはめて彼女を盲導犬にしてしまう。男と破里夫、二人に胴輪をつかまれてもだえる銀杏。
犬の毛が飛び散るなか、突如現れた自警団たちにリンチを受ける破里夫の爪でロッカーの鍵があく。
南国の海が広がる。ロッカーの中から、探し求められていた黒い犬が飛び出し、銀杏の喉笛を噛み切って走り去る。鮮血にまみれた銀杏は何度も犬の名を叫ぶ。「ファキイル!」』
宮沢りえちゃんの美しさはどこまでいってしまうのでしょうか・・その美しさは儚いものではなく、深紅の薔薇のような強さがありました。そんなりえちゃんに堂々と絡む小久保寿人くん。とても良かった。
古田新太さんはもちろんのこと・・私は木場勝己さんの存在感に釘付け。小出くんも今まででいちばんハマり役かも。歌も含め、可愛かった〜。おしりは・・エジプトの主神オシリスから来ているのでしょうか?
あ、蜷川さんはお元気そうでした。よかったーーー。
りえちゃんインタビュー https://flets-members.jp/pub/pages/contents/list/bunkamura/e/interview/130705/01.html