DDD青山クロスシアターへ。
『劇団AUN『黒鉄さんの方位磁石』千秋楽、2列目のまさに砂かぶり席(石炭をくべる)で観劇。ずっと心に残しておきたい素晴らしい作品でした。一幕から涙が溢れ、二幕ではもう目が痛いくらい泣いてしまった。日本人に必要な大切なメッセージが詰まっていました。』と帰りにtweet。
休憩10分込み約3時間が、あっと言う間。通路側でアクティングスペースの横の席だったで、吉田鋼太郎さんや大塚明夫さんや黒鉄さんたちがそこで演技するので、凄い臨場感にドキドキ、時代がそうさせたウルウルでした。
物語の主人公は痴呆がはじまっている鈴木昭一(7日間しかなかった昭和元年生まれ)の記憶の物語。「現在」〜「子ども時代」〜「国鉄職員になった時代」〜と時空を行ったり来たり、そして混じり合い(かなり急ぎ足)で進みました。これは「現在」場面の中で亡くなった妻に言われて過去を思い出したときにノートに書いていたことが走馬灯のように描かれているようでした。記憶を繋ぐ方位磁石(コンパス)とともに。
彼は蒸気機関車が好きだった
大きな鉄の輪に乗って、勇ましく駆けてゆく姿を陸橋の上から暗くなるまで眺めていた
未来を運ぶ黒鉄の、溢れる思い、汽笛に乗せて手の平の方位磁石はいつもの通り進むべき
方角を指し示してくれています
シェイクスピア専門だった劇団AUNがシェイクスピアから離れた第21回公演の『有馬の家のじごろう』に続いて、『黒鉄さんの方位磁石』も作・演出:市村直孝さん、市村文学シリーズ第二弾でした。次回も作・演出:市村さんでいくそうです。楽しみでなりません。カーテンコールに登場した市村さんは意外にお若い方でした。
小劇場では珍しいスタンディングオベーション、もちろん心からしました。素晴らしい作品へありがとうの気持ちを込めて。
友だちにロンドンのお土産とバービカンの冊子をいただきました。どうもありがとう。