読売新聞のホウ・シャオシェン監督「黒衣の刺客」記事（恩田泰子さん）『武侠ぶきょう映画（武術に秀でた人物の活躍を描く中国語圏の時代劇）である。』『原作はハイ・ケイによる伝奇小説。舞台は、朝廷の支配力が揺らぎ、各地方の軍と財政を治める組織「藩鎮」が離反し始めていた時代。ヒロイン、隠娘インニャン（スー・チー）は、ある藩鎮の重臣の娘だが事情があって女道士に預けられた。そして１３年後、すご腕の刺客に育て上げられた隠娘は、かつて婚約者だった藩鎮の長、季安ジィアン（チャン・チェン）の暗殺の命を受けて帰ってくる。』『言葉よりも重視したのは映像だ。「一番考えたのは、映像を見て観客がどれぐらい理解してくれるか」。ただ、「単なる説明のような映像は編集で捨てていった」という。「私が一番気にかけるのは、登場人物それぞれの心境や人間関係。そうしたものがわかってもらえるかどうかが大事なのではないかと思うのです」』『近年の武侠映画は、ワイヤを派手に使ったアクションを売り物にした作品が多いが、この映画は勝負の瞬間のただならぬ緊張感で見せる。日本の侍映画にも影響を受けたという。「特別なことはしませんでしたが、時間が必要でした。当初、私が最も気にしたのは、出演者の表情。アクション俳優ではないから、一生懸命になるとどうしても顔がひきつったりしてしまうことがあったのです』『このため、撮り直しも重ねた。「一回撮ってだめで、訓練をして、また別のロケ地で撮ったりもしました」。撮影期間は５年に及んだ。』 http://www.yomiuri.co.jp/culture/cinema/cnews/20150904-OYT8T50127.html
