ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

木ノ下歌舞伎『心中天の網島』★★★★☆ 

 武谷さんが出演している木ノ下歌舞伎を観に、こまばアゴラ劇場へ。http://kinoshita-kabuki.org/amishima/
 
作:近松門左衛門 監修・補綴:木ノ下裕一 演出・作詞・音楽:糸井幸之介(FUKAIPRODUCE羽衣)
あらすじ「大坂天満の紙屋主人・治兵衛は、妻子ある身ながら、遊女・小春と深く馴染み、ひそかに心中の約束をしていた。しかしある日、治兵衛は、小春が「死にたくない」と告白するのを耳にする。治兵衛は激怒して小春に別れを言い渡すが、実は小春は、治兵衛の女房・おさんに頼まれてわざと愛想づかしをしていたのだった。その事実を知った治兵衛は、小春がひとり死ぬつもりであることを悟る。治兵衛とおさんは小春を殺すまいとするが、おさんの実父・五左衛門が現れ、おさんは実家へ連れ戻されてしまった。その夜、治兵衛は小春を連れ出し、死への道行を歩みはじめる……。 」
紙屋治兵衛(日�啓介)紀の国屋小春(島田桃子)おさん(伊東沙保)粉屋孫右衛門(武谷公雄)太兵衛(小林タクシー)治兵衛叔母・おさん母(西田夏奈子) 丁稚三五郎・太兵衛相棒(若松朋茂)
 
こまばアゴラ劇場にて木ノ下歌舞伎『心中天の網島』観劇。まさかの音楽劇!楽しかった。300年前の作品とは思えないくらい現代にマッチしていました。私は歌舞伎を観ていないのですが近松門左衛門の原作に近いらしい。原作のほうがさらにエッチだとか(笑)島次郎さんの美術がすごい。話にぴったり。」と帰りにtweet。 
 
帰りに武谷さんに楽しかったことを伝えて、少しお話をうかがってきました。「音痴軍団って言われているんだ」って。たしかに音痴だけれど、歌詞はちゃんと届いてきました。さすが俳優さん。いや、庶民的でいいです。どうしょうもない紙屋治兵衛が主人公なのですから、いいと思う(笑)うまいのに声が枯れてしまっていたひともいたけれど。でも、全員が揃ってうまかったら、もっと音楽劇としての質が上がっていただろうなと思います。歌が多かったからね。

島次郎さんの美術がほんとうに凄い。平均台のような木を縦に横に斜めに組み合わせてある。その上をいちばんあぶなげに歩くのは治兵衛。彼は綱渡りのような生活をしているから、ひょいとは歩けない。その上に8枚の板を敷くとそこは紙屋の畳の部屋に。妻のおさんとこどもが待っている、炬燵と箪笥がある部屋。(おさんが、いい女なのですよ。あのダメ亭主も、女郎屋通いなんてしなければ・・きっとやさしい旦那さまだったのでしょう。)夫婦の回想シーンに何度かはさんで歌う「♪箪笥の思い出」が、好き同士だったことを思い出させて悲しい。
 
   「ねえ 君 まだ俺を見てる?」「ねえ あなた まだ私を見てる?」

そしてラスト、治兵衛は小春を連れ出し網島へ(死へ)といくつもの橋を渡っていく場面。この平均台を組み合わせたようなセットが、いくつもの橋のようでした。

ラストのクライマックス、治兵衛が遊女の小春の首を何度も何度も刺すのですが、それは原作に近いそうです。歌舞伎だと1回刺して死んで終わりだけど、原作はもっと何度も刺し、とてもエロティックな場面になっているらしい。
 
『『心中天の網島』木ノ下ちょこっと舞台裏。小道具の起請文は、一枚づつ木ノ下が手摺りで作ってます(下絵・木ノ下→彫り・制作の本郷氏→摺りと仕上げ・木ノ下)。毎回、1ステージ58枚必要なので(ある程度使い回してるけど)、せっせと作ってます♪ 』と木ノ下裕一さん。https://twitter.com/KINOSHITAyuichi/status/645901831273484288
『『心中天の網島』木ノ下ちょこっと舞台裏。この演目では、二通の手紙が重要な役割を果すのですが、その手紙も木ノ下が書いてます♪そういえば、歌舞伎の世界では、昔から舞台で使用する書き物小道具は、狂言作者(脚本家)が直筆するのが決まり。 』https://twitter.com/KINOSHITAyuichi/status/645919169393782785


 武谷公雄さん、次は岡崎藝術座「イスラ! イスラ! イスラ!」http://isla-isla-isla.strikingly.com
東京は早稲田小劇場どらま館にて1月。横浜はSTスポットで2月ですね。20時始まりが嬉しい。
 
七之助くんや勘九郎くんが観に来てらしい。 七之助くんは ↓ これあるしね。
深津絵里中村七之助「ETERNAL CHIKAMATSU」近松門左衛門心中天網島』より(脚本:谷 賢一 演出:デヴィッド・ルヴォー) http://www.astage-ent.com/stage-musical/eternal-chikamatsu.html
 
松井今朝子さんの感想。松岡先生もご覧になったのですね。 http://www.kesako.jp/kesako_archives/2015/09/3521.html
 
(追記:9月30日の日経夕刊、木ノ下裕一さんインタビュー記事より) 
「白く塗られた平均台を網目のように組み合わせたセットが舞台に置かれている。出演者がその上を注意深く歩くことで遊郭、商家と場面が進行。妻子ある男と遊女の道ならぬ恋の結末として壮絶な心中シーンに至る。「人生は緊張感を伴って平均台を歩くようなもの。心中はそこを踏み外して、地上のしがらみから抜け出すこと」
「原作は文楽台本で、音楽的要素が強い。歌を道標にして物語を進めるイメージで出来上がった」
「歌舞伎で通常上演される台本は近松半二の改作がもとになっているうえ、長年の工夫が継ぎ足されていて、原作から離れて進化した部分も多い」
(文化部 小山雄嗣さん)