半休してシアターコクーンへ。
Ｊ列。昼間にもかかわらず３階まで立ち見がたくさんでした。
魅力的な登場人物は、何世紀もの時代を越えて私たちの前に現れ、いきいきと躍動する。- デヴィッド・ルヴォー（演出家）-
「ほんのちょっと、１５分だけの恋のはずだった。」「止むに止まれぬ事情から、自殺した夫の多額の借金を抱え売春婦になったハル。り切って始めた商売だが、 足繁く通うジロウ（妻子持ち・現在失業中）と命懸けの恋に落ちる。周囲の反対を押し切ってこの恋を全うすることが出来ないと諦め、ハルはジロウに愛想尽かしをしたふりをして心ならずもジロウと別れる。自暴自棄になって街をさまよっていたハルは、かつて遊女の涙で溢れたという蜆川（曽根崎川）のあった場所で、ハルと同じ境遇にある、妻も子供もいる紙屋治兵衛と命懸けの恋をしている遊女小春と出会い、近松門左衛門の江戸の世界、古い古い恋の物語に引きこまれていく。」
作：谷 賢一 演出：デヴィッド・ルヴォー
出演：深津絵里、中村七之助／伊藤 歩／中島 歩、入野自由、矢崎 広、澤村國久、山岡弘征、朝山知彦、宮 菜穂子、森川由樹／中嶋しゅう／音尾琢真
冒頭のリーマンショックの映像にまずびっくり。ああ、夫の自殺に繋がっているのかな。
遊女の小春（中村七之助）、治兵衛（中島 歩）、その妻おさん（伊藤 歩）の三角関係を描いた近松門左衛門の「心中天網島」、どんな風に現在のハル（深津絵里）とジロウ（中島 歩）の物語が交錯するんだろう？と思っていました。すごいわ。娼婦のハル、風俗店の客引きのババア（中嶋しゅうさん）がすぅっとジジイ（近松門左衛門らしき人物）になり、心中天網島への案内人となってハルを過去の物語へ誘う・・。ジジイはストーリーテラー的存在。
美術だけど・・最初の風俗街の美術は蜷川さん？と思ったわ。幾つかの風俗店にネオン、歩いている人や自転車で横切る人なんか、蜷川さんによく使うので。橋も黒子さんたちが動かすので、蜷川さんの舞台をつい思い出しちゃった。
でも、過去に引きずり込まれそうな漆黒の暗闇が素晴らしく、橋の演出がおもしろかったです。
何より七之助くんが美しくて美しくて美しくて、深津ちゃんがこれまた美しくて素晴らしくて、しゅうさんも素晴らしくて・・あと伊藤 歩さん、音尾さんが良かったーーーー。生演奏もやさしい雨のように素敵でした。
中島 歩くんの治兵衛（ジロウではなく）が和装した金城武くんに見えたよ。
ハルと小春の恋和餅、買ってしまった。
松濤カフェへ。ハーフ＆ハーフ。
