ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

日経(5/16)の蜷川さん記事 

日経の『「理解されない」演劇の闘士、蜷川幸雄3つの謎』(編集委員 内田洋一さん)http://style.nikkei.com/article/DGXMZO02358610W6A510C1000000?channel=DF280120166618&style=1
2016/5/16 の記事、読んでいなかったわ。
「多くの演劇人に愛された演出家、蜷川幸雄は意外なことに「理解されない」とうめきつづけた人だった。好意的にみえる劇評にも激しく怒って、周囲を戸惑わせた。自身が思う演劇の世界像はそれだけ侵しがたいものだったからだろう。30年余り前から取材を重ねてきたが、蜷川幸雄の内面はようとして知れなかった。その謎に迫ることで、演劇の闘士80歳の死を悼みたい。」
【謎1】なぜアイドルを多用したか?
「偏愛したのは、スターの影だった。青春時代のアイドルはアメリカ映画のジェームス・ディーンであり、アンジェイ・ワイダ監督の名画「灰とダイヤモンド」のツィブルスキ。光り輝く寵児が転落する。光と影の振幅を極大化させる神秘的な力を演劇に持ちこみ、彫像を刻むように「時代」の像をとらえようとしたかに見えた。」
「この蜷川的スター主義は一般にいうスター主義とは似て非なるものだった。失墜の予感をはらみ、危うい綱渡りを自覚しているスター。物語をかきまわし、秩序をゆるがすトリックスター。その系譜には小栗旬松本潤藤原竜也らがいる。翼を太陽に溶かされ失墜するギリシャ神話のイカロスのようなはかなさ。そこに演劇の本質をみていたのではないか。」
【謎2】なぜシェークスピアを日本化したのか?
「衝動的なセリフはもともと予定調和的なドラマを揺さぶる手段だった。ところが今や現実の社会生活で言葉が衝動的に発せられる。この傾向を進めれば、社会が思慮を失い、極端にふれる危険があると考えていた。「このごろセリフが気になってしょうがないんだ。今はきちんとセリフの内容を話してほしい」。蜷川演出が最後にたどりついた境地は「ハムレット」のセリフを借りれば「言葉、言葉、言葉」だった。」
【謎3】「恥」の意識の源はどこにあったか
蜷川幸雄の軌跡をたどると「恥ずかしい」という意識が隠されていることがわかる。その源は唯一の自伝「演劇の力」(日本経済新聞出版社)の冒頭部に記されている。「ぼくは生まれつき自意識過剰で、ことあるごとに恥ずかしいという気持ちに襲われる」。皆に振り向かれるのがイヤだから、絶対遅刻しない。人に注目されるパーティーも嫌い。芸術祭大賞を受賞したら、自分をひきずりおろすためストリップの演出をした。