作・演出:岩井秀人
出演:岩井秀人 平原テツ 田村健太郎 チャン・リーメイ 能島瑞穂 高橋周平 藤谷理子 猪股俊明 / 古舘寛治
http://hi-bye.net
<出演者交代のお知らせ>2018年2月9日より上演いたします『ヒッキー・ソトニデテミターノ』公演に出演を予定しておりました古舘寛治さんが、体調不良の為、やむを得ず2月9日〜2月11日までは降板することとなりました。2月12日14:00の回から復帰する予定です。つきましては、同役として松井周さんにご出演頂きます。
「僕らプロのレベルだと2日もあれば台詞も流れも頭に入りますが、ここはあえて、あえて台本を持ったままさせていただきます。」松井周さんが「台本を持ちながら」和夫を2時間演じる。となっていたけれど、それが不思議と違和感なかった。古舘寛治版和夫と違う味の、台本までも斎藤和夫の小道具のようでした。(写真はハイバイのTweetより)
2012年にパルコ劇場で上演した『ヒッキー・ソトニデテミターノ』*で吹越満さんだった主人公登美男を岩井さん。岩井さんは若いころ本物の引きこもりくんだったからというわけじゃないだろうけれど、岩井さんの動きがすごく響く。外に出た登美男が電車の中でリュックの中のプロレスグッズや雑誌をばらまいてしまって一人で拾うシーンに社会が見えて切ない。あの美術(手を伸ばしても拾えない)だから余計に。私は絶対に拾ってあげよう。
2018年版は「ハイバイドア」がなく、外側を囲んだ四角い枠の中に白いテーブル(小道具となる)がごちゃごちゃっと置かれた美術でごちゃごちゃ入り組んだ演出は初めてでした。前回は俳優の控えスペースが外にあったけれど、今回は全員が混ざっている。着替えながらの役の入れ替わりもごちゃごちゃしているんだけど、スムーズに繋がっているのだからすごい。
それぞれのコミュニケーションがうまくとれない様子がもどかしくも切なく、「世界は太郎くんにとって親でもなんでもないですよねー」という黒木さんのセリフが今回も響いた。黒木さんの正論は優しくないんだけれど・・でも私は黒木さんが好き。チャン・リーメイさんの今回の黒木さんのイメージが新しかった(服装)
(撮影:引地信彦さん)
*パルコ・プロデュース『ヒッキー・ソトニデテミターノ』★★★★★ http://d.hatena.ne.jp/Magnoliarida/20121009/1349794650
『ヒッキー・カンクーントルネード』★★★★★ http://d.hatena.ne.jp/Magnoliarida/20150207/1423323450