『ローマ帝国の三島由紀夫』★★★★★ - ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

まさか31日に観劇することになるとは。しかも12月６回目のシアター風姿花伝。

すごいパワフルな演劇…リーディング公演。私が観てきた最近のリーディングは単なる朗読ではないものが多く、亀ちゃんの『BIRTHDAY』もだけど、さいたまネクスト・シアターの『作者を探す六人の登場人物』と『蜷の綿（になのわた）- Nina's Cotton -』なんてもはや本を持っていなかった（笑）。

さて、今日のは第63回岸田國士戯曲賞最終候補作品となった古川日出男の未上演戯曲「ローマ帝国の三島由紀夫」です。Ｅ列にて。

「劇的な言語が好きだ。それは世界への扉だ。「今、此処」に満足できなくてもっと遠くへ行きたいときに日常の言語体系では、だめなんだ。劇の世界へ。劇言語のほうへ。僕はシェイクスピアの扉を開くと同時に、古川日出男という巨人に挑戦しようと決めた。劇的な世界へ。」と演出の木村龍之介さん　

【作品への意気込み】
劇的な言語が好きだ。それは世界への扉だ。「今、此処」に満足できなくてもっと遠くへ行きたいときに日常の言語体系では、だめなんだ。劇の世界へ。劇言語のほうへ。僕はシェイクスピアの扉を開くと同時に、古川日出男という巨人に挑戦しようと決めた。劇的な世界へ。
— カクシンハン (@KAKUSHINHAN) 2021年12月6日

本を持って読んでいるからリーディングなんだけど群を抜いて凄かった。言葉を浴びるというか演劇を浴びる感覚。ジェットコースターみたいなリーディング。俳優６人が素晴らしいから、私の脳内が一瞬たりとも止まることなくフル回転、まさに奔流される観客の私。拙い想像力を駆使して流水に乗りました。とにかく圧倒されっぱなしなので、全一幕の戯曲ですが途中休憩あり良かった。この戯曲はシンプルな美術の今回みたいな「半リーディング形式」が向いているかもしれない。毎年やってほしい。これ戯曲のパワーが凄いから戯曲に対峙できる俳優にしか演じられないと思う。今回の凄いキャストの皆さんが基準になるし。武谷さんなんて19日までバリバリ範宙遊泳の舞台に出ていたのに😳だからオノだったのかもだけど。

ト書も読むスタイル。ページをめくるのではなく綴じられていない戯曲をパーっと撒きながら読み進めていく（それも効果的）新しいスタイルでした。歌もあったけれど戯曲にある指示なのかはわかりません。

美術は乘峯雅寛さん。背景の帯状のビニール？（揺れるとカサカサという音が）のカーテンから登場人物が出てきます。そのカーテン？に当たる照明がものがたりを盛り上げます。カクシンハンでお馴染みのパイプ椅子が車にもなる美術。

水音が聞こえるイタリアの地底で出会った４人＋鶏が擬似画像に、そして古代ユダヤの牢獄に…オスカー・ワイルド「サロメ」と三島由紀夫の三島事件が交錯する。

マークさん演じるマサハルは政治と書きます。彼が観客を繋げる役割を担っているのかな。最後にオスプレイの話も出てきたことのメッセージ性。https

https://tokyocrossfes.eyado.net

作：古川日出男　演出：木村龍之介

ユキコ・三島由紀子／サロメ：七味まゆみ
サンボンギ：成河
鶏を名乗るマサハル・政治：岩崎MARK雄大
ヤマノウエ／ヘロデ王：貴島豪（SPAC）
ヤマノウエ妻／王妃ヘロディア：小野百代（SPAC）
預言者・亡霊と名乗るオノ🪓／ヨカナーン：武谷公雄

美術：乘峯雅寛　作曲：平本正宏　照明：伊藤孝　音響：大園康司　小道具：新倉満江　演出助手：日置浩輔　舞台監督：今村智宏

『サロメ』は多部ちゃん主演、ヨカナーンを成河くん（水溜にいた）が演じた舞台を観ていたので内容を知っていましたが、こんなにもサロメと三島由紀夫とリンクしているのは！

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木村龍之介さんコメント「コロナの時代、演劇の再起動に必要なのは、現実を凌駕する強い想像力だ。そう思った時に、古川日出男さんのことが頭をよぎった。「本は、僕たちの内の凍った海を砕く斧でなければならない」と言ったのは、たしかカフカだったかな。古川さんの書く本はまさにカフカの言う斧だ。その斧が振り下ろされる時、僕らの凍った海は打ち砕かれ、生命への意志が目覚める！再起動！ガツン！成河さんをはじめとする強者の俳優陣と、リーディングにはおさまらないリーディングで、そう、斧のような演劇を作ります。」

岩崎MARK雄大さん「短い期間でしたが、ぎゅっと仲良く皆で2021年を納めました！Have a Happy New Year! 🎈」　