PARCO劇場にて『2020(ニーゼロ ニーゼロ)』観劇。I列センターブロック。
高橋一生くん、ほんと、圧巻でした。80分しゃべりっぱなし…劇場空間と観客を取り込んで。一瞬も目が離せなかった。一生くんは上田岳弘さんが描く難解な世界を、時空を、軽々と跳んでいった。とても自然に。紀元前から何度も生まれ直した男でした。孤独が伝わってきて苦しい。
橋本ロマンスは彼の孤独が創り出した妖精(話し相手?)なのか、私たち観客もそうなのか。
あのセットからしてきっと毎日同じにいかないだろうと思う。臨機応変なアドリブまでもしなやか。今日私の前の列の人が遅れてきたときも、アドリブ発動していた…とても自然に。
今回の白井晃さんの演出も好き。一生くんがしゃべりながら何度も高く積まれた白いボックスの上に上っていくのは少し怖かったけれど、すごいなぁ。バランス感覚半端ないわ。(白井さんの4fourのときも箱ばかりの演技スペースで箱に上っていたけど高さが違う🤭)
一生くんはかぶりものかぶったり衣裳チェンジも舞台上(一応隠れて)でやるので、出ずっぱり。とにかく凄かったから思いがまとまらない。カフカの「城」が頭に浮かんだのだけど、上田さんがパンフレットに上げていたからあながち外れてはいかなったということかな。(個人的に一生くんがタルコフスキーの「ストーカー」が好きというのがヒットしました。)
わからないなりにこの舞台はパンデミックを経験した2年間があるからこそ心に刺さるし、ずっと残る作品だと思う。人類とはと語るのに軽やかでとっつきやすい。とても寓話的なところが「導かれるように間違う」に通じていた。
「君は正しさで口をふさがれている」
なんかバラバラと書いている私。
言っていい?一生くんと6回目が合いました。結構長めに…👀。気のせいでも構わないわ。
野田さんがおっしゃる「(一生くんは)他愛のないことを含めて、やることが作為的じゃない。作為を感じさせないからアドリブのようにも見える。」のを目の当たりにする時間。作品を読み込んでしみ込ませないとできないよね。
上田さんの『キュー』というこの舞台の原作となった小説に出てくるGenesis lil-lil(GL)という人物は、本の構想中にすでに=高橋一生だったというのだから、ピタッとハマるわけだ!終始演技してると思えないのだから、マジで。なんなんだろう〜全てが然るべきだったということね。
あ、一生くんが歌い、ロマンスさんとふたりで踊るところ大好き❤ ロマンスさんの存在があってこそのGenesis lil-lilでした。カーテンコールのロマンスさん✌️可愛かったな。
いつかWOWOWで放送してほしーーい。
構成・演出:白井晃 上田岳弘
出演:高橋一生 DANCER:橋本ロマンス
美術:BLANk R&D(石原敬 / 牧野紗也子) 照明:齋藤茂男 音楽:スガダイロー 音響:井上正弘 ステージング・振付:橋本ロマンス
映像:上田大樹 衣裳:髙木阿友子 ヘアメイク:川端富生 演出助手:渡邊千穂 舞台監督:小笠原幹夫 企画・製作:パルコ
「芥川賞作家・上田岳弘の文学に共鳴する高橋一生が、上田に書下ろしを提案した本作品。
疫病があっという間に世界を覆い、東京オリンピックがなくなったあの年、2020年を起点に、はるか昔、人類の誕生から、はるか先?の世界の終わりまでを、高橋一生の声、肉体、動きを通して目撃する!「クロマニヨン人」「赤ちゃん工場の工場主」「最高製品を売る男」そして「最後の人間」。彼ら登場人物=高橋一生の挑発に、あなた=観客はどう応えるのか。舞台に立つ一人の男の叫びは、私たちの心の葛藤を浮き彫りにする。」
「疫病があっという間に世界を覆い、東京オリンピックがなくなった2020年を起点に、人類の誕生から、世界の終わりまでを高橋の声、肉体、動きを通して表現する。見どころを聞かれると「全部見てほしいですが、かぶり物をするんですよ(笑)。出落ちに近いようなことが起こるので楽しんでいただければ」と意味深にニッコリ。」(中日スポーツより)
戯曲が掲載されている月刊『新潮』8月号が完売だったので、Amazonで注文しました。
高橋一生、高難度の一人芝居で圧巻の熱演 強烈な世界観で歌い踊り狂う! パルコ・プロデュース2022『2020』公開舞台稽古&初日前会見
「キュー」上田岳弘/著「〜そしてほぼ全ての人類が文字通りの意味で一つに溶け合い、Rejected Peopleと呼ばれる人造人間だけが地上を闊歩している時代にコールドスリープから覚醒する現代人のGenius lul-lulが旅をする七百年後の《予定された未来》」