THEATER MILANO-Zaオープニングシリーズ COCOON PRODUCTION 2023『パラサイト』観劇。
B列(見切れたら嫌だな〜と思っていたけれど舞台が低いので見上げることなく床もちゃんと見える)通路側だったので視界も良く観やすかった〜。
映画『パラサイト 半地下の家族』と日本版『パラサイト』は設定が違って、舞台は90年代の関西。手仕事の靴作りで生計を立て、トタン屋根の集落で細々と暮らす家族が、豪邸に住む一家に取り入り寄生していく。というストーリーでした。
(ネタバレすると思うので先に言っておきます)
美術が凄い!!堤防の下にある金田家、高台の豪邸永井家、永井家の地下へと暗転で何度も回ります。豪邸の大きな窓の向こう側に広がる景色に感動(さすがムーチョ村松さんのお仕事、素晴らしい)そこが火の海となる…。
一幕、家政婦の玉さん役のキムラ緑子さんのエンターテイナーぶりったら…成河くんが「ドリさんが絶好調だった」と書いていたわけがわかる〜アクセル全開どころかリミッター外してきてます。二幕はある場面から一変します。
「物語の中心となる金田一家の主・金田文平を務めるのは、古田新太。文平の息子・純平を宮沢氷魚、妹・美姫は伊藤沙莉、母・福子を江口のりこ。一方、金田家に寄生(パラサイト)される永井家の主人で土建屋の永井慎太郎役には、山内圭哉が。その妻・千代子は真木よう子、娘・繭子は恒松祐里」
主演とは書いていないけれどストーリーテラーも担う氷魚ちゃんが主演だなぁ。とても良かった(舞台のたびに上手くなってる)。関西弁の可愛いキャラで妹の美姫役の伊藤沙莉ちゃんと小学生みたいにワチャワチャしたり永井家の繭子とイチャイチャしたり、スキップしたり、手足が長すぎるから動きがよけいコミカル。何よりモノローグがとても良い。二幕のモノローグに涙が止まらずでした(T ^ T)。
低所得層(社会的弱者)と富裕層の格差社会がテーマの『パラサイト〜半地下の家族』(監督:ポン・ジュノ 脚本:ポン・ジュノ、ハン・ジンウォン)をどう舞台化するのかなぁと思っていたら、鄭義信さんの見事な脚色で1995年(平成7年)1月17日の早朝に起きた阪神・淡路大震災に変えてあった。堤防下の金田家のお餅ケーキで盛り上がった楽しいクリスマスの場面から一変。大震災がすぐ近くであってもパーティーを開く富裕層。大震災があってもゴルフに行っちゃう政治家いるよね。格差社会というのは日本と韓国だとかなり意識に差があると思うけれど・・。
私が世の中に「格差社会」があるというのを知ったのは小学生か中学生のとき松本零士さんの「大純情くん」を読んでだったと思う。上流階級だけが進歩していく社会。ポツンと立った小さな家の四畳半に暮らす主人公が隣接する超高層ビル群を見上げる絵のインパクトは忘れられない・・。
永井家の奥様役の真木よう子さん、最初誰か分からなかった(出ること知っていたはずなのに)。彼女の滑舌の悪さは外国かぶれっぽいセリフでカバーされていたけれど、噛みすぎ。
つづきはまた
原作:映画『パラサイト 半地下の家族』
台本・演出:鄭 義信
音楽:久米大作 美術:池田ともゆき 照明:増田隆芳 音響:藤田赤目 映像:ムーチョ村松 衣裳:半田悦子 ヘアメイク:宮内宏明 擬闘:栗原直樹 演出進行:松倉良子 舞台監督:北條孝、篠崎彰宏 制作:石井おり絵、藤本綾菜 プロデューサー:松井珠美、佐々木弘毅 エグゼクティブ・プロデューサー:加藤真規、李鳳宇、本間憲
出演:古田新太、宮沢氷魚、伊藤沙莉、江口のりこ、キムラ緑子、みのすけ / 山内圭哉、恒松祐里、真木よう子 青山達三、山口森広 / 田鍋謙一郎、五味良介、丸山英彦、山村涼子、長南洸生、仲城綾、金井美樹
STORY「堤防の下にあるトタン屋根の集落。川の水位より低く一日中陽がささず、地上にありながら地下のような土地で金田文平(古田新太)の家族は家内手工業の靴作りで生計を立てて暮らしている。一方対照的な高台にある豪邸では、永井慎太郎(山内圭哉)、妻の千代子(真木よう子)、娘の繭子(恒松祐里)、引きこもりの息子賢太郎がベテラン家政婦の安田玉子(キムラ緑子)とともに暮らしている。文平の息子の純平(宮沢氷魚)は妹の美姫(伊藤沙莉)が偽造した大学の在籍証明を利用し、繭子の家庭教師としてアルバイトを始める。息子の賢太郎のアートセラピーの教師として、美姫が、慎太郎の運転手や玉子がクビになるように仕向け、その後釜に、文平と妻の福子(江口のりこ)が、と一家は永井家に寄生していく…。」
私はそこまで絶賛していなかった😅映画『パラサイト 半地下の家族』★★★★
この前(江口)のりちゃんと会ったときに話したんだけど、オイラたちから氷魚は生まれないよね、ギリ沙莉は生まれるけど、氷魚は生まれないよねって(笑)。