7日の初日から1週間以上経っていますが、私はこれからなので。
「東京ローズ」という愛称で一度も放送をしなかったラジオ東京の女性アナウンサー、アイバ・戸栗が、いったいなぜ東京ローズ裁判で国家反逆罪の罪を着せられてしまったのか。
東京ローズについて知りたい。太平洋戦争中に、日本がアメリカ向... | レファレンス協同データベース https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000256680
◎アイバ・トグリ・ダキノ(戸栗郁子)
・1916年7月4日ロサンジェルス生まれの米国籍の日系2世。
・両親は山梨県からアメリカに移住し、食品雑貨商を営んでいた。
・1940年カリフォルニア大学を卒業。
・1941年大学院在学中に叔母の病気見舞いで日本に滞在中に太平洋戦争開戦、帰国できなくなる。
・1942年同盟通信社に就職。
・1943年日本放送協会で臨時雇いの英文タイピストとして働きはじめ、スカウトされ「ゼロ・アワー」のアナウンサーになった。
・1945年ポルトガル国籍の同盟通信社社員のフィリップ・ダキノと結婚。
・戦後、占領軍に反逆罪容疑で逮捕され、巣鴨拘置所に収監。証拠不十分で釈放。
・1948年アメリカに強制送還、再逮捕。
・1949年サンフランシスコ連邦裁判所で禁錮10年、罰金1万ドル、アメリカ市民権剥奪の判決を受け、服役。
・1954年仮釈放。
・1977年、3度の請願の末、フォード大統領の特赦により市民権回復。
・2006年退役軍人会から表彰を受ける。90歳で死去。
🌹《あらすじ》 ”Who is Tokyo Rose?”
「アイバ・トグリ(戸栗郁子)は1916年にアメリカで生まれアメリカで育った日系二世。日本語の教育を受けることなく1920~30年代のアメリカで青春を過ごした。叔母の見舞いのために25歳で来日し、すぐに帰国するはずが、時代は第二次世界大戦へと突入、アメリカへの帰国も不可能となってしまう。そこでアイバは、母語の英語を生かし、タイピストと短波放送傍受の仕事に就く。戦争によって起こる分断や、離散、別れ。多くの人々を襲った不幸がアイバ自身とその家族の身にも降りかかる。
やがてラジオ・トウキョウ放送「ゼロ・アワー」の女性アナウンサーとして原稿を読むことになったアイバ。その女性たちをアメリカ兵たちは「東京ローズ」と呼んだ。終戦後、アイバが行っていたことは、日本軍がおこなった連合国側向けプロパガンダ放送であったとされ、本国アメリカに強制送還され、国家反逆罪で起訴されてしまう。
本国アメリカから、戦中日本の悪名高きラジオアナウンサー「東京ローズ」であった罪を問われることとなったアイバ。彼女は本当に罪人だったのか……?」
🌹『東京ローズ』
台本・作詞:メリヒー・ユーン/カーラ・ボルドウィン
作曲:ウィリアム・パトリック・ハリソン
翻訳:小川絵梨子 訳詞:土器屋利行
音楽監督:深沢桂子/村井一帆
演出:藤田俊太郎
出演:飯野めぐみ、シルビア・グラブ、鈴木瑛美子、原田真絢、森 加織、山本咲希
🌹演出家・藤田俊太郎より
「新国立劇場フルオーディション第6弾ミュージカル『東京ローズ』にご応募いただき誠にありがとうございました。日本での上演のないミュージカルで、戯曲も譜面もまだ出版されていないこの作品に挑戦してくださったことを、深く感謝しております。
936名もの方々にご応募いただき、歌唱映像を全て観させていただきました。全く違う価値観を持った、お一人お一人の誇らしい生き様を観て、声を聴き、向き合わせていただきました。強い意志と覚悟を感じました。全員と今回の仕事でご一緒することはできませんでしたが、映像を通して出会えたことを心から幸せに思っています。未来でまたお会いできると信じています。素晴らしい舞台表現の創作を通して再会できるよう日々、演出家として努力し続け進んでいきたいと新たに決意しています。
最初の歌唱映像、そして課題曲映像の選考を経て、お会いした方とは作品との親和を考えながら、対面の一次選考、二次選考の場を共にしました。貴重な機会ですから、稽古初日だと考えて稽古場に入り、取り組みました。世代、キャリア、様々な演技スタイルがある中、ワークショップ形式でお一人お一人が日本初演作品に想像力、言葉と歌の魂を宿してくださった時間はとても美しかったです。
キャリアを始めたばかりの漲る勢い、またはキャリアを重ねても自分を疑い挑戦する気持ちで臨んでくださった勇姿を忘れません。僭越ながら、これからの演劇、ミュージカル、時代を共に創っていきたいと心から思いました。
2023年12月の上演ではカンパニー皆でアイバ・戸栗・郁子の人生を生きたいと思います。アイバはラジオ放送のアナウンサー「東京ローズ」と呼ばれ、戦争と人種差別の犠牲となりました。第二次世界大戦の、戦前、戦中、そして戦後を、最後まで後悔はない、人を恨まない、とアメリカ人として信念を貫きました。一市民の女性が国籍を奪われ、時代や運命に翻弄された物語、言葉を客席に責任を持って届けたいと思います。そして、自分の意志を持ち、同時に他者を受け入れながら進んだアイバの生き方を、936名分の想いを胸に、舞台上で鮮やかに表現したいと思います。
最後になりましたが、この作品を創り、私たちに日本初演の機会を与えてくれたBURNT LEMON THEATREに心からの感謝と敬意を込めて。
大切なお客様を劇場でお待ちしております。新しいミュージカルの誕生を是非お楽しみください。」