ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

『リア王の悲劇』藤田俊太郎インタビュー

古代ブリテンを舞台にした、今までの『リア王』とは違う新訳の日本初演版 藤田俊太郎が個性的なキャストと贈る、古く新しいシェイクスピア (取材・文&撮影:渡部晋也) 

古代ブリテンを舞台にした、今までの『リア王』とは違う新訳の日本初演版 藤田俊太郎が個性的なキャストと贈る、古く新しいシェイクスピア │ シアターウェブマガジン[カンフェティ]

一部抜粋✍️ ずっと蜷川さんの演出助手だったから“初シェイクスピア”の演出という気がしないね。

そして音楽は『天保十二年のシェイクスピア』と同じ宮川彬良さん!

―――主要キャストは11名、加えて8名のコロスという座組ですが、その中でとりわけ注目のキャストはいますか。

「全員です!個性ある11名の芝居を是非観て欲しいですし、それを演出で際立たせることが大事だと思っています。
新訳のフォーリオ版に惹かれたもう1つの理由は、それぞれの人物の在り方や個性がハッキリしているところです。作品の時代設定をシェイクスピアが生きた16世紀でも未来でもなく、自分の国の古代、3〜5世紀に設定したのが面白い。それはキリスト教的考え方が入り込む前だからです。
多くの西洋戯曲にはキリスト教的思想や思考が宿っています。その根底にあるキリスト教や宗教の部分をどう乗り越えるか、解釈するかが面白さでもあり課題でもありますが、このフォーリオ版の時代設定ならばもう少し自由に発想できるんじゃないかと思います。
キリスト教ジェンダー、男性中心主義の考え方、などを考えすぎずに、自由な作品解釈の可能性を見いだせると感じます。女性はとても強い存在なのではないか。なぜ長女や次女が政治力を発揮できるのか。そもそも女性になぜ家を継いでいるかのように振る舞うのか。三女にしても優しいだけでなく、しっかりした意思を持った強い女性です。優しさの裏側にある彼女の個が、時代設定を古代ブリテンに置くことで凄く明快になるし、現代にも通じると思いました」

「全員です!」が俊太郎くんの演出だよね。

―――リア王の家臣・グロスター伯爵の嫡子であるエドガーを女性(土井ケイト)が演じますね。

「はい。今まで上演された『リア王』と1番違う所ではないかと思います。グロスター伯爵には私生児のエドマンドという子どももいますが、グロスターの言動から、彼の物事の捉え方なら、嫡子(=エドガー)であれば女子でも家を継がせてもおかしくない、と考えました。
一方、私生児(=エドマンド)は嫡子に嫉妬して策略を巡らせる。リアや、グロスターと同様に自分が“男”だから引き継ぐんだ、とその策略、新たな支配の理由が生まれるわけです」

――――――

「オーディションは参加費を払えば全員蜷川さんに演技を見てもらえるのですが、そこで蜷川さんの前で演じた『リア王の悲劇』エドマンドのモノローグが僕にとって生まれて初めての芝居でした。エドマンドは野心家のキャラクターですが、自分の願望を託したところがあったと思います。ともかくそれこそが僕のスタートです。

「後日聞いた話では、結果としてあまりにも下手だったので印象に残ったとのことでした。オーディション会場に1人、素人が混じっている状態ですね。まだ藝大に在学中だったのも幸いしたかも知れません。蜷川さん自身もかつて藝大の油絵を志望していましたから」😆