『動物園物語』も先日観た『真夜中のパーティ』の数年前にオフブロードウェイで上演された作品。初演はベルリン。『現代演劇界に君臨し続ける劇作家エドワード・オルビー。彼の生ける伝説は、1958年執筆「動物園物語」がもたらした衝撃から始まった。そのセンセーショナルなデビューから半世紀。今なお戦慄を禁じ得ない2人芝居の傑作「動物園物語」に、自らの手で新たに「前編」を執筆。巨匠の処女作への変わらぬ情熱が、「第1幕『ホームライフ』+第2幕『動物園物語』」から成る2幕物芝居『アット・ホーム・アット・ザ・ズー』を誕生させた。』http://setagaya-pt.jp/theater_info/2010/06/post_187.html
↑そうしてくれてよかった!
立ち見もギッシリ!すごいな〜と感心していたら今日は千秋楽でしたね。先行でチケット取ったんだけど、よく取れたなぁ・・。演出は千葉哲也さんです。キョンキョンも大森南朋さんも舞台では初めて。堤真一さんは『人形の家』以来だ〜と思っていたら、その舞台のDr.ランクは千葉さんでしたね。人形の家のときのりえちゃん同様に、今回も(一幕・二幕とも)相手を際立たせる堤さんです。
第一幕『ホームライフ』
「話があるんだけど」という妻の台詞から始まります。ドキッとして振り向くかと思ったら、夫はホントに気づかず読書。潔白ですね(笑)
安全で快適な航海のような生活を約束したからというピーター(堤真一)との生活にぞっとしはじめている妻アン(小泉今日子)がピーターに「悪いことしてほしい」「獣みたいに」してほしいという要求(欲求)が遠回り過ぎなのか伝わらない、というか、勘違いしているのかズレてとらえる夫がおかしい。ズレたまま、悪いことしたことあるんだ〜と告白するピーターは子供みたいだった。多分妻がハッキリ言っても伝わらないほど考え方がズレている。まあ今までしつこく言ってこなかったのだから伝わらないよね。安全で快適な航海のような生活が幸せなんだと思い込んでいるだろうから。
あんなにアンが可愛く、そして激しく甘えても・・植物系の男って・・まったく・・。最後アンはピーターにキスするのかと思ったら齧った・・子犬のように。植物(草食)系ピーターは (ё_ё) な気持ちを引きずったまま公園に読書に行きます。アンがピーターの常識人ぶり(つまらない)を見せてくれたことが二幕に繋がります。
第二幕『動物園物語』
(休憩なし)リビングの奥の壁が前に倒れてきて公園になった〜w(゜o゜)w 本を持ったピーターがマンホールから出てきて、第二幕『動物園物語』へ続きます。このマンホール、第一幕までは窓(月が浮かぶ)でした。断然こちら第二幕の方が面白いんだけど、『ホームライフ』があることで『動物園物語』がわかりやすいものになっていました。でも・・『ホームライフ』はちょっと長過ぎるのでは?説明っぽい。そして何か足りない・・何かな?(わかった・・失礼かもだけど、キョンキョンに色気が足りないんだ〜(^^;) 大森南朋にはある!)←アンはヒステリックな役だからいいのか。(思ったんだけど、キョンキョンの声って海外ドラマの吹き替えに向くわね。あのサ行の発音とかね。)
↑ この演出だけど、マンホールから出てくるって・・変だよね。これはピーターの夢?千葉さんに聞きたい。
「動物園に行って来た」と、ベンチのピーターに話しかけて来た無精髭のアブナイ感じの男がジュリー(大森南朋)。一方的に話しかけてくるのを最初は嫌がっていたんだけど、話を聞くのをやめられないピーター。ホントは動物園で何があったかが知りたいわけではなさそう。どんどん自分の内面にあるもうひとりの自分が出てきます。ジュリーと公園のベンチを「僕のベンチ」だと取り合うシーンなんて、子どもみたいだった。
ジェリーを演じた大森南朋がとってもカワイイ!まるで少年のようです。人懐っこい子犬のような顔してまぁーしゃべる、しゃべる、しゃべる。それが、ジェリーと犬の物語を話していくうちに、どんどん捨てられた子犬のようになっていった・・ああ母性本能が・・。ジュリーって『BLUE/ORANGE/』のクリスと同じ匂いがしたなぁ〜。
ジュリーは誰かに刺されたかった? 最後ずっとカチカチカチとバランスボールの音がしています。これは一幕でアンが鳴らしていたテーブルの上のバランスボールと同じ音。
P.S.ふつうは救急車呼ぶよね(笑) 「あーどうしよう」じゃなくってさ。 夢なら辻褄が合うけどね。カチカチカチの音で目覚める・・。だってセントラルパークのマンホールよ。←気になって眠れないかも(笑)