再再再演はないというので、私にとって今日が最後の『春琴』でした（明日千秋楽、あとはタイ公演）。光と闇のなかで繰り広げられる美しい世界にゾクゾクし、背筋がピンと伸びていた１時間50分。
Ｆ列は前過ぎるなぁ〜と思っていたけれど、この前（Ｊ列）と違う見方も出来て面白かった。先週はさめざめ泣いていた私ですが、今夜は、黒子になった役者さんたちが闇の中で誰がどう動いているのか（とくにソンハくん♪）、アンサンブルの一糸乱れぬアートな動き、手の動き、顔のこまかな表情など・・最後に確認出来てよかった。あ・・この音も三味線が出していたのね、とかも。そうそう・・春琴も佐助も三味線を実際弾いていません。彼らの三味線は棒なんです。本條秀太郎さんが弾く三味線と彼らの撥さばきがピッタリ合います。凄いよぉー。架空の襖を開ける仕草も音とピッタリ合っています。そして、なんといっても深津ちゃんと宮本裕子さんが操る人形の動きの優美なこと！もの凄い完成度！見事です。
それから、ラジオドラマとして台本を読む立石さんが素晴らしいです。立石さんの「春琴、」の第一声で一気にあの世界に入ります。もうその瞬間から途中の「はい、休憩です」の声までラジオドラマだということを忘れてしまいます。休憩（←劇中のね）で一瞬のうちに現実に戻されるのです。後半はすぐにでも戻りたくて、待っていましたとばかりに自ら戻っていった気がします。立石さんなしでこの舞台は成り立たないな、と思いました。
あっ・・・私の好きなソンハくん演じる佐助の背中はとてもセクシーでした。
こんなに素晴らしい作品に出会えた自分を褒めてあげます（笑）
始まる前にこれだけでも食べておいてよかった〜。
そういえば・・長谷川ピロキくんが、ご実家は「陰翳礼讃」みたいだって黴菌の対談でしゃべっていたのを思い出しました。風の音、雨の音、虫の音だけが聞こえてきそうでいいな〜。←イメージね。
