ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

DULL-COLORED POP番外公演『プルーフ/証明』★★★★  


 サンモールスタジオへ。
劇場に入るとJAZZが流れていました。『The Libertinesというガレージロック・バンドと、セロニアス・モンクという60年代ジャズ・ピアニストの曲を使っている。Libertinesは破滅型の天才、モンクは「高僧」とあだ名された理知的・神秘的なピアニスト。どちらも登場人物のイメージから。』と谷賢一さんがtweet
 
アメリカ現代劇の最高傑作のひとつと言われる本作は、2000年にオフ・ブロードウェイで初演され、トニー賞をはじめとする数々の演劇賞に輝き、2005年には映画化もされた。天才数学者である父を亡くしたふたりの娘と、研究を引き継ごうとする青年が、遺品のノートに書かれた世紀の“証明”を発見するが…。』
 
谷さんの翻訳家デビュー作で、演出家としても今回3度目の新演出とのこと。映画化もされている作品ですが私は初めての『プルーフ/証明』。A列でした。 http://www.dcpop.org/stage/next.html
脚本:デヴィット・オーバーン 翻訳・演出:谷賢一 出演:百花亜希、山本匠馬、遠野あすか大家仁志
証明をめぐる愛の物語。おもしろかった。とても辛くて激しくてやさしくて愛しい作品でした。
 
シカゴ大学で教鞭を取り、天才数学者と讃えられた父ロバートの死から一週間。序章、「お誕生日おめでとう」というパパの声は幻想だったのね・・。思い出のつまった家が見える庭、あるのはガーデンテーブルセット(と、多分、棄てられたガラクタ)だけのシンプルな美術。パパが好きだった場所なんだろう。そこで父との思い出、数学のやりとりを振り返る。
 
キャサリン(百花亜希)がハル(山本匠馬)にキスされた瞬間パッと表情が明るくなり可愛かった。キャサリン25歳にしては幼いなぁと思いましたが(21歳から時間が止まっていたから?)百花亜希さんのファザコンぶりがとても魅力的です。気性の激しさは父ゆずり?ハルを喜ばせようとした可愛らしいキャサリンはハルに信用されないことに傷つく。姉のクレア(遠野あすか)への苛立ち、精神を崩していくキャサリンを百花亜希ちゃんは見事に演じていました。
数学者ハル、山本匠馬くんはシカゴボーイにぴったり。最前列だったので、興奮するとほんのり赤くなるきれいな肌に思わず見とれた・・・

二幕で数学者のロバートがシカゴの風景、9月になるとここへ戻ってくる学生たちの日常を語るシーンが好き。数学者でありクレアとキャサリンの父親ロバートは『ショーシャンクの空に』でブルックス(←すごーーく良かったのよブルックス!)を演じていらした大塚仁志さん。
精神を病んでいた父がある冬の日、自分は(正気に)戻ったから、一緒に証明しようとキャサリンを誘う。ラスト、その父が書いたノートを読み上げるキャサリン。父を証明するのは辛かっただろう。一緒にやるんだとノートを見せられたときから気づいいたんだろうな。それが・・ロバートが思い出していたシカゴの風景だった。ロバートは幸せだっただろう。
 
キャサリンが隠していた104冊目のノート。
 
BGMというより場面を引き立てている音楽もよかった。 ただ劇場が寒すぎ・・。後半は手が痛くなるほど寒かった。